オリックス・由伸 NPB史上初2年連続「投手4冠」へ大前進も3失点反省「走者を出してから甘く入った」

[ 2022年9月4日 04:45 ]

パ・リーグ   オリックス4ー3ロッテ ( 2022年9月3日    ZOZOマリン )

<ロ・オ>完投で12勝目の山本(撮影・長久保 豊)
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 絶対エースは、絶対に逆転を許さない。1点リードの9回2死無走者。オリックス・山本が山口に投じた116球目は余力十分。高め154キロ直球でバットに空を切らせて9個目の三振を奪い、グラブをポンと叩いた。

 「4点を取ってもらって絶対に越されたらダメだと。7回で3点取られて追いつかれそうになったので、最後はまた集中しました」

 この日の直球の最速は156キロを計測。最大の武器に加え、150キロに迫る高速フォークが効いた。5回無死一塁で井上と対峙(たいじ)した場面。シュート回転させて内側に落とす148キロの宝刀で、空振り三振を奪った。続く安田にも同様の軌道で外に逃げる回転で落とし、空振り三振だ。7回に山口、井上の連続適時打などで3点を失ったが、後続を断って守り抜いた。

 「走者を出してから甘く入ったのをしっかり打たれたので、ああなってはならない。反省点ですね」

 3失点完投でリーグトップ12勝目。球団投手のロッテ戦でのシーズン無傷5連勝は阪急時代の68年米田哲也(7戦5勝)以来54年ぶり2人目、5戦5勝は球団史上初。勝利数に加えて防御率1・82、勝率・706、172奪三振もリーグトップで、プロ野球史上初となる2年連続および2度目の「投手4冠」を視界に捉え、オリックス史上初となる2度目の沢村賞も見えてくる。

 チームを3年ぶりのロッテ戦勝ち越しに導き、今季最多の貯金7。3位は変わらずも、2位・西武にゲーム差なし、首位・ソフトバンクと1差。「チームが良い順位なので、その良い流れに乗っていったら、自分の成績も良くなると思う。とにかく、チームのために一勝一勝、積み重ねていきたい」と山本。頼れる背番号18が、逆転連覇への道筋を示す。(湯澤 涼)

 《“投手5冠”も視野》山本(オ)が今季12勝目。勝利数、防御率、勝率、奪三振の4部門でトップを独走中で、13勝目を挙げれば、勝率のタイトルの規定を満たす。昨季に続く先発投手の4タイトル独占なら、2年連続および2度目はプロ野球史上初の快挙になる。さらにトップの大関(ソ)、伊藤(日)と1個差の完封も制して2年連続2度目の“投手5冠”にも期待がかかる。ロッテ戦は今季5戦5勝。同カードで5勝は92年酒井勉の5勝以来30年ぶり。開幕5連勝は68年米田哲也が7試合で記録して以来54年ぶり2人目。5戦5勝は球団史上初めてだ。

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2022年9月4日のニュース