阪神・近本 天国から地獄…完璧3号のちGグラブ賞野手が痛恨“お見合い” 矢野監督も嘆き節

[ 2022年9月4日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神1ー7巨人 ( 2022年9月3日    甲子園 )

<神・巨>7回2死一、二塁、岡本和の打球を遊撃手・中野(左)が追うも、中堅手・近本とお見合いの形となり、2点適時二塁打に(撮影・坂田 高浩) 
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 阪神・近本が天国と地獄を味わった。長期ロードから戻った前日までの甲子園4戦で、17打数9安打(・529)と打ちまくったバットは依然、好調。1点を追う4回、巨人先発の左腕メルセデスの130キロスライダーを右翼スタンドへ放り込んだ。直近3戦で2発目となる同点の3号ソロだ。

 「(藤浪)晋太郎が最少失点で踏ん張ってくれていた。なんとか早い段階で追いつきたいと思っていた。甘い変化球に対して、しっかり自分のスイングができた」

 5回の守備に就く際には今季最多4万2620人のスタンドから拍手を受けた。応援を独り占めし、帽子を取ってあいさつした。プロ野球選手冥利(みょうり)に尽きる瞬間を味わった直後、試合の流れを変える大きなミスをした。

 先頭の吉川の痛烈な中堅へのライナー。一度前に出た後に下がって頭上を越された。三塁打とし、次打者の大城に決勝打を浴びた。

 7回にも昨季のゴールデン・グラブ賞外野手らしからぬミス。岡本和のフラフラと上がった前方の打球を、遊撃・中野と一瞬、お見合いした。背走の中野に捕球を託したものの、難しい体勢ゆえ、ボールをはじいた。セオリーなら、前向きに追っていた近本のボールか…。記録は二塁打で2者が生還。6点差となり試合が決まった。

 この日は試合前の練習を屋外でしなかった。球団記録の30試合連続安打を放った夏場からたびたびある。体調を考慮し、室内で調整して試合に臨む。疲労がたまっている証拠で、少なからず守備に影響した可能性がある。

 5回の痛恨の目測ミスについて、矢野監督は「近本やったら捕らなあかんよね」と苦言を呈し、「チームの課題として球際というのがずっとあるんで」と拙守を嘆いた。残り17試合。近本の走攻守における活躍なくして、浮上はあり得ない。(倉世古 洋平)

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2022年9月4日のニュース