パドレス・ダルビッシュ 日米通算3000奪三振&日本投手1000勝の金字塔

[ 2022年9月4日 02:30 ]

ナ・リーグ   パドレス7ー1ドジャース ( 2022年9月2日    ロサンゼルス )

<ドジャース・パドレス>7回無失点で12勝目を挙げたダルビッシュ(AP)
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 パドレスのダルビッシュ有投手(36)は2日(日本時間3日)、同地区首位のドジャース戦に先発し、7回2安打無失点、9奪三振の好投で12勝目(7敗)を挙げた。5回無死一塁でこの日6個目の三振を奪い、野茂英雄(ドジャースなど、現パドレス球団アドバイザー=3122奪三振)以来2人目となる日米通算3000奪三振(日本1250、米国1750)に到達した。またこの日の白星で、大リーグでの日本投手の通算勝利数が1000(938敗)に達した。

 節目の数字には、5回無死一塁で達した。19年MVPのベリンジャーに3連続の直球で押し、4球目はスライダーを内角低めへ。バットは止まらず、三塁塁審がスイングの判定。ダルビッシュが日米通算3000奪三振の金字塔を打ち立てた。

 その後も3三振を重ね、日本で1250三振、メジャーでは1753三振で日米通算3003三振。通算3122奪三振(日本1204、米国1918)の野茂英雄以来、史上2人目の快挙となった。3000奪三振以上はNPBでも金田正一、米田哲也、小山正明、鈴木啓示の4人だけ。「長くやれていることと、健康が条件。フラフラしてた自分を大きい愛で育ててくれたファイターズあってのこと。本当に感謝しています」と古巣への感謝が口をついた。

 この日は直球とスライダーで3つずつ、カーブで2つ、スプリットで1つとさまざまな球種で三振を奪った。力と技の結集。「自分は野球を始めた時から無性に変化球に執着していたから、ゲームの中でいろんなピッチャーになっていける。変化球に興味を持った自分にちょっと感謝したい」。今は投げなくなったが、東北時代は大きく沈んで左打者から逃げるシンカーを駆使し、高校生離れした技術で甲子園を沸かせた。100マイル(約161キロ)に迫る剛速球を持ちながら、その直球とのコンビネーションで威力を倍増させる多彩な変化球は、研究好きな性格と相まって今も磨かれ続けている。

 プレーオフ争いの中で負けられない状況で、同地区首位で30球団最高の勝率・687を誇る強打線に、三塁を踏ませない安定感で7回無失点。4年連続で規定投球回に達した。さらにこの日の白星は、日本投手による大リーグ通算1000勝目となった。1964年9月29日、村上雅則が救援登板で挙げた初勝利から58年。「勝つって本当に難しい。試合に投げることですら難しい。その中で1000個目の勝ち。一回一回に自分は苦しさや大変さは分かっているので。過去の日本の選手たちにも感謝したい」

 日米18年目の長いキャリアと、日本野球の歴史がメモリアルな形でつながった。特別な夜に、ダルビッシュは何度も「感謝」という言葉を繰り返した。(杉浦 大介通信員)

 《日米通算3003奪三振は日本選手では6位相当》ダルビッシュの日米通算3003奪三振は、日米通算も含めた日本選手では6位相当。NPB最多は金田正一の4490奪三振で、大リーグトップはノーラン・ライアンの5714奪三振。また、3000奪三振に通算2721回2/3での到達は、野茂英雄の2834回1/3より速い。大リーグでの通算1753奪三振は現役では12位で、トップはシャーザー(メッツ)の3168奪三振。なおダルビッシュは日米通算で101試合(日本52、米国49)の2桁奪三振をマークしており、こちらは野茂と並んでいる。NPB最多は金田正一の103試合。

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