もう本物!阪神・藤浪 負けても虎党にタメ息つかせぬ存在感、甲子園で2年ぶりQS

[ 2022年9月4日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神1ー7巨人 ( 2022年9月3日    甲子園 )

<神・巨>先発の藤浪 (撮影・奥 調)
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 阪神は3日の巨人戦に1―7で敗れ、連勝は3でストップ。借金生活に逆戻りとなった。敗戦の中、光明は先発・藤浪晋太郎投手(28)の力投だ。今季3敗目を喫したものの、6回5安打3失点で8月6日広島戦から5試合連続クオリティースタート(QS=6回以上、自責3以内)を記録と、安定感を持続。甲子園では実に2年ぶりだ。慣れ親しんだ聖地に輝きを取り戻して“帰還”を果たした右腕。次戦で白星と、あと5個に迫った通算1000奪三振を目指す。

 これまでの姿とは違うからこそ、今は最低限の仕事では納得できない。6回5安打3失点で5試合連続QSを記録した藤浪は、悔しさをにじませた。

 「調子自体は悪くなかっただけに、要所でなんとか粘りたかったなと思います」

 得点圏に走者を背負った3度の危機で、いずれも得点を与えてしまった。スコアレスの3回は2死二塁で坂本に156キロ直球を右前にもっていかれ、先制点を献上。同点の5回には不運もあった。先頭・吉川のセンターへのライナー性の打球を近本が目測を誤って頭上を越され三塁打に。続く大城に左前適時打を浴びて、勝ち越しを許した。

 6回はこの夜2度目となる先頭打者への四球から1死一、三塁のピンチを背負うと、若林への2球目が大きく抜ける暴投となり三塁走者の生還を許した。後続を断って3失点にまとめたものの、降板直後のベンチでは苦い表情で汗をぬぐった。

 この日は結果に恵まれなかった。だが状態は決して悪くない。矢野監督も「(暴投の)あの1点は、ちょっともったいなかった」としつつ「最近のいい状態を保っているような状態だった」と評価。何より甲子園で腕を振る背番号19の躍動に、見る者はあらためて藤浪晋太郎の“帰還”を感じたはずだ。

 高校時代から幾度となく輝いてきた場所では、プロ入り後も数多くの声援がその背中に注がれた。一方で、不振が続いた近年はタメ息が充満することも珍しくなかった。8月の再昇格後、2勝をマークするなど安定した投球を継続。満を持して帰ってきた聖地・甲子園のマウンドで20年11月4日ヤクルト戦以来2年ぶりのQSを記録し、存在感を示した。

 「余計な失点もしてしまいましたし、反省すべき点をしっかり見つめ直して、今後に生かしていければと思います」。まだまだ通過点とはいえ、この日の5奪三振で通算1000奪三振まであと5に迫った。次回登板では快投と白星で、節目に花を添える。(遠藤 礼)

 《初の巨人戦7カード連続勝ち越し逃す》阪神は巨人戦の連勝が3でストップ。この3連戦、1試合を残して1敗1分けでカード勝ち越しがなくなり、4月15~17日の甲子園から球団最長を更新していた巨人戦の連続カード勝ち越しが6でストップした。今季は2試合を残して14勝8敗1分け。04年以来となるシーズン最多勝利17勝は逃したが、残り全勝で16勝8敗1分けなら、79年の17勝9敗に並ぶ最多勝ち越し8になる。

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2022年9月4日のニュース