ヤクルト・村上 猛打賞で“4冠前進”安打数でもトップタイ浮上

[ 2022年9月4日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト1―5中日 ( 2022年9月3日    神宮 )

<ヤ・中>9回、安打を放つ村上(撮影・三島 英忠)
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 連勝は5で止まった。V2ロードでの一休み。でも、この男のバットは止まらない。「3冠ロード」を歩むヤクルト・村上が右へ左へヒットを飛ばした。

 「しっかりスイングしているので打球が速い。だから(野手の)間を抜けていく確率が高い」。試合後、高津監督はそう振り返った。前夜は史上最年少(22歳7カ月)の50号達成となる先制3ラン。その余韻が残る中、この夜はチャンスメークに転じた。打線が得点機をことごとく逃した敗戦で4打数3安打。2回先頭で追い込まれながら高めのつり球を左中間二塁打とすると4回無死一塁ではゴロで二遊間を抜く。9回も先頭で右前打。いずれも速い打球だった。

 高津監督は2回の左中間二塁打を「追い込まれてコンパクトに打っている。そういう技術もある」と分析。飛距離が求められる本塁打だけではない。速い打球で野手の間を抜けるヒット。こういう一打が3冠王で一番の関門でもある、打率部門を制する要素となる。

 50本塁打、123打点は断トツ。これで打率・341とし、2位の中日・大島に目の前で1分7厘差をつけた。まだある。今季140安打も阪神・近本に並ぶリーグトップに返り咲き、現時点では「4冠王」。猛打賞もリーグ最多の13度目だ。2回は二塁打の後に三盗に失敗。微妙なタイミングでリプレー検証でも判定は覆らなかったが、次の塁を狙う積極性の表れで指揮官も「ミスとは思っていない」と信頼は揺るがない。

 2位のDeNAも敗れ、7ゲーム差は維持。最短で6日に優勝マジックが再々点灯する。史上最年少の3冠王へ。村上の歩みが、チームのリーグ連覇への道を切り開いている。(秋村 誠人)

 《猛打賞13度目でセ最多タイ》村上(ヤ)の3安打猛打賞は13度目で近本、中野(ともに神)に並ぶセ最多となり、2安打以上のマルチ安打ランクでも佐野(D)の42度に並ぶリーグトップに立った。現在首位の打率も.341に上げ、2位・大島(中=打率.324)との差は1分7厘差に広がった。ヤクルトと中日はともに残り23試合。村上が残り全試合を3打数1安打で合計69打数23安打の.333と仮定すると最終打率は.340。大島が同期間に同じ打数で村上を逆転するには、69打数30安打で.435を打ち、最終打率.342とするしかなく、村上が本塁打、打点部門だけでなく首位打者争いでも一歩抜け出した。

 《マジック最短点灯は6日》ヤクルト、DeNAがともに敗れたため、ヤクルトの最短マジック再々点灯は6日に延びた。条件は、ヤクルトが4日の中日戦、6日の阪神戦に連勝なら、DeNAがその間の2戦で2敗もしくは1敗1分け。ヤクルトが1勝1分けでもDeNAが2敗ならいずれのケースもM15が出る。

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