番長マジックだ!DeNA・楠本 執念同点スクイズで逆転劇呼んだ、本拠地敵なしハマスタ13連勝

[ 2022年8月18日 05:30 ]

セ・リーグ   DeNA7―3巨人 ( 2022年8月17日    横浜 )

<D・巨>5回、スクイズを決めるDeNA・楠本。投手はメルセデス(撮影・河野 光希)
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 番長の早仕掛けが吉と出た。3点を追う5回。4回まで無安打だった打線に無死からソト、柴田の連打が飛び出す。DeNA・三浦監督は8番・戸柱、9番・浜口のバッテリーにオースティン、嶺井を代打に送った。1死満塁から桑原が中前2点打を放ち、なお一、三塁。ここでスクイズのサインが出た楠本は、初球の内角直球を「左投手だったので一塁側を狙った」と冷静に転がした。指揮官は「流れがあったし、クス(楠本)も重圧のかかる場面で決めてくれた」と絶賛した。

 鮮やかなセーフティースクイズ。その裏で楠本は腹をくくっていた。「ちゃんと(サインが)出てるか、って頭の中で確認しながらゆっくり打席に入りました」。プロ5年で通算7本塁打の2番打者が言う。「僕はホームランでひっくり返せないけど、僕なりの貢献の仕方がある」。5日の中日戦で初回無死一塁からバントに失敗していたが、首脳陣の変わらぬ信頼に応えた。

 田中内野守備走塁コーチから、送りバントで投手から離れた場所にボールを転がす技術を叩き込まれた。「0コンマ何秒の世界だけど、本当に小さな何秒が大事。バントは時間を稼ぐもの」と楠本。ベンチに戻ると、三浦監督から「サイン分かっとんか」と笑顔で言われ、「分かってました」と即答した。

 チームは昨年リーグ5位の81犠打にとどまった。それが今季は101試合終了時で77犠打。熱戦が繰り広げられている夏の甲子園の高校球児のように、ここぞの場面でひたむきに1点を取りにいく姿勢が功を奏している。

 球団記録を更新する横浜スタジアム13連勝。首位・ヤクルトとのゲーム差は7で変わらないが、貯金は三浦監督政権下では最多の5に増えた。ヤクルトを猛追して前年5位から2位に躍進した97年に重なるのではと問われ、当時主力だった指揮官は「メンバーも違うけど、非常にベンチの雰囲気はいい。みんな集中して戦えている」と話した。当時を上回る進撃の予感も漂う。(伊藤 幸男)

 《日本記録は19連勝》DeNAが横浜スタジアムでは1分けをはさみ13連勝となり、本拠地での球団連勝記録をさらに伸ばした。現12球団で、本拠地13連勝以上を記録したのは19連勝のソフトバンク、広島を筆頭に7球団目だ。これで、横浜スタジアムでは今季26勝20敗1分けとなり、勝率・565(他球場は26勝27敗1分け、勝率・491)。昨季は22勝31敗7分け、勝率・415だった本拠地で見違える戦いぶりだ。また、ソトは2戦連続決勝弾。勝利打点はチーム最多の10度目で、そのうち4度が本拠地13連勝中の試合と連勝に大きく貢献している。

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2022年8月18日のニュース