西武・内海「感謝」の19球 前日引退発表「真剣勝負」の場面で起用、2点追う8回に1安打零封

[ 2022年8月18日 05:30 ]

パ・リーグ   西武3―5ソフトバンク ( 2022年8月17日    ベルーナD )

<西・ソ>8回、一礼しマウンドに向かう内海(撮影・久冨木 修)    
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 裏表がなく、誰からも愛される男は試合後、思わず本音を漏らした。前日に今季限りでの現役引退を発表した西武・内海が、2点を追う8回に登板した。

 「正直、想像していない場面での登板だった。もうちょっと点差の開いた場面かなと勝手に想像していて…。まさか、まさかまさかという感じ」

 ブルペンからマウンドへ。観客からの万雷の拍手が鳴りやまない。1球ごとに、1つのアウトごとに拍手はどんどん大きくなる。

 「後押しをもらってスイッチが入った。でも、今日は引退試合じゃない。真剣勝負。それを引退表明後にできて感謝しかない」

 直球は最速139キロ。110キロ台のカーブとの緩急差と、徹底して低めを突く熟練の投球は変わらない。

 「感慨深さを感じる間もないほど緊張した。とにかく迷惑をかけたくなかった。引退前だけど(中継ぎは)本当に勉強になる」

 5月21日の日本ハム戦以来の登板で1回19球を投げて1安打無失点。中継ぎは4年ぶり。2死から代打・松田との「計79歳対決」で三塁内野安打を許したが、最後は甲斐を三ゴロに仕留めた。

 「チーム状況とかは今、主戦でやっている人が考えると思う。僕はその横を寄り添いながら…。任されたところで結果が出せるよう準備して挑みたい」

 40歳の兼任コーチ。チームの大事な戦力として、リーグ優勝を花道にユニホームを脱ぐ。誰もがそんなエンディングを想像する。

 「今から変えられることはない。しっかり準備することは(若手に)見せられるかな。背伸びせずキャリアの全ての引き出しを開けて乗り越えられれば」

 不惑。内海は最後の登板のその日まで迷うことなく腕を振る。(鈴木 勝巳)

 《救援は16試合で2勝2H》内海(西)が中継ぎで1回を無失点。自身の救援登板は、巨人時代の18年9月5日DeNA戦以来4年ぶりとなった。なお、通算333試合登板のうち、救援は16試合で、成績は2勝0敗2ホールド、防御率3・20となっている。

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2022年8月18日のニュース