阪神・伊藤将 自己最多の12K完投も報われず「一発はダメという状況で打たれた」村上、山田に痛恨被弾

[ 2022年8月18日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神2-4ヤクルト ( 2022年8月17日    神宮 )

<ヤ・神>3回、村上に先制の3点本塁打を浴び、悔しさをにじませる伊藤将(撮影・平嶋 理子)
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 阪神・伊藤将は敗戦が決まると、ベンチでガックリ肩を落とした。普段はポーカーフェースの左腕が、珍しく感情を表に出した。8回5安打4失点と完投しながら、4敗目。自己最多の12奪三振、今季最多121球の力投も、及ばなかった。

 「ランナーをためて村上に一発はダメだという状況で、打たれてしまった。コースも良いところだったが、うまく打たれた」

 決して甘い球ではなかった。だが相手が一枚上だった。0―0の3回2死一、三塁。村上に内角のツーシームを完璧に仕留められ、先制の右越え3ランを被弾した。初回の対戦では外角中心の配球で見逃し三振に抑えていたが、2打席目で初めて投じた内角球を完璧に打ち返された。7月31日は投手陣が3打席連続本塁打を打たれて敗れ、この日は伊藤将が餌食となった。

 図らずも村上に本塁打を献上した100人目の投手となったが、その一発でスイッチも入った。4回を初の3者凡退に抑えて波に乗ると、今季初対戦となったヤクルト打線相手に、打たせて取る本来の投球スタイルではなく、真っ向勝負を挑んだ。丁寧にコースを突き、6回を投げ終えた時点で自身初の2桁奪三振をマーク。「ストレートもしっかりコースに行っていた。3点取られてから修正できたのは良かった」と7回までは一人の走者も許さず、スコアボードに「0」を並べた。

 耐え抜きたい2―3の8回2死で山田に痛恨の左越えソロを被弾し、万事休した。それでも前回に続く完投で力は出し尽くした。今季5完投はリーグ単独トップ。矢野監督からも「状態的にもそんなに良いという感じではなかったけど、その中で粘ってくれた」と評価を受けた。

 ヤクルト戦は昨季から通算3試合で0勝2敗とセ・リーグ5球団で唯一の未勝利。この日も“ヤク払い”は失敗に終わった。この敗戦を糧に、次こそ勝利をつかみ取る。(長谷川 凡記)

 《27年ぶり2試合連続完投敗戦》伊藤将(神)が8回4失点完投で4敗目となったが、今季の5完投はリーグ単独最多となった。前回10日のDeNA戦も8回完投で敗戦。阪神でシーズン2度の完投敗戦は15年の藤浪以来だが、2試合連続は95年に藪恵壹が7月9日巨人戦、15日ヤクルト戦で喫して以来27年ぶり。

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