エンゼルス・大谷 サイ・ヤング賞左腕&自己最速163キロ撃ち、3安打活躍もエ軍敗北

[ 2022年8月18日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス2―8マリナーズ ( 2022年8月16日    アナハイム )

<エンゼルス・マリナーズ>7回、大谷は中前打を放つ(撮影・大森 寛明)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(28)は16日(日本時間17日)、マリナーズ戦に「2番・DH」で出場し、今季9度目の1試合3安打をマークした。前回3打席連続三振に封じられた昨季サイ・ヤング賞左腕ロビー・レイ投手(30)に、三塁打を含む2安打でリベンジ。7回にはメジャー在籍5シーズンで放った479安打中、最速球となる101・3マイル(約163キロ)の直球を中前打した。

 どんな好投手だろうと、同じ相手には続けて後れを取らない。それが大谷だ。しかもレイが決め球とするスライダーを続けて仕留めた。3回1死一塁、カウント0―1から甘く入ってきたところを引っ張り右前打。5回2死では追い込まれてから、逃げる外角球に腕を伸ばして左中間へ。一気に三塁を陥れた。

 昨季サイ・ヤング賞左腕と初対戦した前回5日、屈辱の3打席連続三振に倒れていた。この日の初回も空振り三振。それでも球筋を焼き付け、しっかり振っていくことで間合いをつかみ、やり返した。レイが「継続的にいい感じで投げられた」と振り返ったスライダーを完璧に攻略した。

 メジャー1年目の18年から変わらない。5月、サイ・ヤング賞2度のバーランダー(アストロズ)との初対戦は4打数無安打3三振と完敗だった。「野球をやってきて、打席で見た一番速い球じゃないか。ここまで品のある球とは」。それでも7月、2度目の対戦で二塁打を放ち、8月の3度目に左中間2ランを見舞った。強敵とぶつかり、必ず乗り越えて刀は磨かれてきた。

 7回には快速右腕ムニョスの101・3マイル(約163キロ)を中前打した。捉えた球速は、メジャー通算479安打のうち最速だった。7月27日のロイヤルズ戦で、5年目で初めて100マイル(約161キロ)の球を安打にしたばかり。直前2安打はスライダーを運んでいただけに、直球勝負を選択した捕手のカサーリは「スライダーでスイングスピードのある打撃をされたくなかった。全く凄い打者だ」と対応力の高さに白旗を揚げた。

 接戦は終盤、プレーオフを目指すマリナーズと絶望的なエンゼルスの差が如実に出て一方的に敗れた。野球人なら誰もが焦がれる「10月の野球」には今季も届かない。それでも大谷だけは前を見てピンと背筋を伸ばす。その魂こそが「101マイルを投げて、101マイルを打つ」二刀流の源泉だ。(笹田 幸嗣通信員)

 《今季4本目の三塁打》大谷の三塁打は今季4本目。リーグ4位タイで、トップはロサリオ(ガーディアンズ)の7本。大谷は昨季はリーグトップの8本を放った。大谷の1試合3安打は今季9度目で自己最多タイとなり通算25度目。4安打以上は今季はない。1試合3安打以上は18年が4度、19年が9度、20年はなし、46本塁打した昨年は3度しかなかった。

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2022年8月18日のニュース