広島 サヨナラ劇呼んだ鉄壁投手リレー 9回零封九里のバトンを栗林&ターリーつないで3位浮上

[ 2022年8月18日 04:45 ]

セ・リーグ   広島1-0中日 ( 2022年8月17日    マツダ )

<広・中>9回、木下を三振に抑えガッツポーズする九里(撮影・岡田 丈靖) 
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 広島は17日の中日戦で、0―0の延長11回に代打・松山竜平外野手(36)が左中間二塁打を放って今季7度目のサヨナラ勝ちを飾った。劇勝を呼んだのは11回零封リレーを演じた投手陣だ。先発・九里亜蓮投手(30)が9回134球の熱投を披露し、栗林良吏投手(26)、ニック・ターリー投手(32)が無失点でつないだ。新型コロナウイルス陽性判定を受けた矢崎らを欠く中、投手一丸で連勝に導き、1日以来となる3位に浮上した。

 投手陣の我慢強さがあったからこそ、わずか1点で勝つことができた。その中心にいた九里は、息詰まる投手戦にも屈しなかった。

 「長い回を投げられていない試合も多かったので、8回にしても9回にしてもマウンドに上がらせていただいたことを意気に感じてマウンドに上がった。相手の高橋君も本当に良い投球をしていた。それに負けないようにと思って投げていた。その結果、ゼロにつながって良かったです」

 チームを襲った今回のコロナ禍で救援3人が離脱した。先発が1イニングでも長く投げなければいけない状況は、1与四球のみと制球力の向上につながった。尻上がりに調子を上げ、5回からは4イニング連続無安打。8回終了時点で球数が113球を数えても9回を託された。そして1死一塁から木下を三振併殺に仕留め、今季最多となる134球の熱投を終えた。

 投手陣が直面する危機は、今回のコロナ禍だけではない。先発陣は大瀬良が再調整、床田、アンダーソンが故障で戦線を離脱し、九里の責任は増している。「僕より森下の方が支えているんじゃないですか。僕自身も負けていられない」。冗談交じりとはいえ、投手主将の誇りが雨中の熱投に込められていた。

 同点の延長10回に登板した栗林も続いた。「流れに乗っかって、亜蓮さんの投球を無駄にしないようにと思った」。九里の好投を力に変え、3者凡退に抑えた。延長11回はターリーだ。2死一、二塁を招きながらビシエドを遊ゴロに仕留めて踏ん張り、直後のサヨナラ勝ちへとつなげた。

 「勝ちパターン」入りしていた矢崎が新型コロナウイルス陽性で離脱。抑えの栗林は、自身の役割の大きさを十分に自覚している。「コロナで離脱した方がいて、チームとしても苦しい状態。自分が打たれたりしたら、余計にどんどんと苦しくなる。自分ができることを、100%出せるように準備だけはしたい」。コロナ禍に屈することなく2連勝。離脱者の穴は、結束力で埋めている。(河合 洋介)

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