阪神・佐藤輝 “鬼門”の8月に初本塁打「久しぶりに打ててうれしかった」 昨夏は大ブレーキ…今年は違う

[ 2022年8月18日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神2-4ヤクルト ( 2022年8月17日    神宮 )

<ヤ・神>6回無死一塁、佐藤輝は2点本塁打を放つ(撮影・平嶋 理子)
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 阪神は17日のヤクルト戦に2―4で敗れ、開幕9連敗以来、今季2度目の8連敗を喫した。2戦続けて6番に入った佐藤輝明内野手(23)が3点劣勢の6回無死一塁、左翼へ今季最長ブランクに終止符を打つ61打席ぶりの17号2ランを叩き込んだ。待望の8月初本塁打で復調の気配を漂わせる和製大砲。15年ぶりとなったシーズン2度目の8連敗以上という泥沼から、猛虎を救い出す覚悟を示した。

 苦しみ、ふがいなさ…そして自らへの怒りを、佐藤輝がボールにぶつけた。4番から6番へ打順を下げられて臨んだ2試合目。誰もが待ちわびた和製大砲のアーチが、神宮の夜空を鮮やかに彩った。

 「最近、全然打てていないので、毎打席どうやったら打てるのかを考えながら。久しぶりに打てたので、うれしかったです」

 3点を追う6回無死一塁、2ボール2ストライクからの5球目。「良いピッチャーですし、ストレートも力強いので。タイミングを早めにとって、振り抜きました」。左腕・高橋が外角に投じた直球を逆方向にはじき返した打球は、黄色に染まった左翼スタンドの最前列に吸い込まれた。7月30日ヤクルト戦以来15試合、61打席ぶりの一発。昨季から通算8打席無安打に封じ込まれていた“天敵左腕”から記した初安打で、今季最長ブランクに終止符を打った。

 「前の打席で、悔しい思いをしていたので…」。雪辱を期した打席だった。両軍無得点の3回2死満塁で迎えた第2打席。高橋の高め直球に詰まらされ、遊飛に倒れた。絶好機での凡退に、思わずバットを叩きつけた。その直後、敵軍の主砲・村上は2死一、三塁から自らの頭上をはるかに越える右翼後方への先制3ラン。違いを見せつけられた。それでも「点を取られて、ズルズルいっちゃうとダメなので」。持ち味の長打力で、意地を見せた。

 8回2死でも清水の初球を右翼方向へ「らしく」大飛球とした。三塁ベンチ前で投球練習をしていた伊藤将が両手を上げ、打たれた清水も思わず天を仰いだが…無情にもフェンス手前で失速。「(本塁打の後に)続かなかったので、そこを打てるように」と前を向いた。

 1年前の「8・17」は東京ドームのDeNA戦で2発。田淵幸一が22本塁打で保持していた球団新人最多本塁打記録に並んだ。だがそのすぐ後、8月22日からリーグワーストの59打席連続無安打を記録するなど大不振に陥った。今年も8月序盤に苦戦も、前夜の2安打に、この日の一発と上昇気配を漂わせる。今年は違う。「いる選手だけでしっかり力を合わせてやるしかない。頑張ります!」。借金5に後退も、まだ32試合を残す。3位までわずか1・5差。2年目の背番号8は決意新たに次戦へ向かう。(阪井 日向)

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