“朗希2世”だ ドラ1候補の明桜・風間球打 自己最速タイ153キロ発進 11球団スカウト絶賛

[ 2021年7月12日 05:30 ]

全国高校野球選手権秋田大会2回戦   ノースアジア大明桜4-0能代 ( 2021年7月11日    こまちスタジアム )

<能代・ノースアジア大明桜>7回無失点の投球を見せた風間(撮影・河野 光希)
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 朗希2世だ。今秋ドラフト1位候補のノースアジア大明桜・風間球打(きゅうた)投手(3年)が11日、秋田大会で能代との2回戦に先発し、7回を2安打無失点に抑えて初戦を突破した。ロッテ・佐々木朗をほうふつさせる長身右腕は自己最速タイの153キロを計測し、12三振を奪う力投。岩手出身の佐々木朗やエンゼルス・大谷を生んだ東北の地に新たな怪物が現れた。

 右腕に力を込めた。夏の甲子園に向けた第1球。風間が真ん中へ全力で投げ込んだ149キロは勢いを増していく。打者の頭の高さにいく完全なボール球。それでも浮き上がるような軌道を描き、バットを振らせた。もちろん、空振りだった。

 「緊張したけど、強気で投げるという気持ちで(初回のマウンドに)立ちました」

 圧巻の投球だった。3回まで毎回の6奪三振。初めて得点圏に走者を背負った4回2死二塁では、鋭い目つきに変わった。1メートル83の長身右腕は151キロを計測し、最後は自己最速タイの153キロで見逃し三振に仕留め「ギアを上げて投げることができた」と涼しげに振り返った。

 剛速球だけではない。「変化球を投げれば相手は迷う」と3回から昨冬に習得した110キロ台のカーブで緩急を駆使。直球との球速差は約40キロだ。スライダーやフォークも織り交ぜ、12三振のうち7個を変化球で奪った。ネット裏には11球団のスカウトが集結。巨人・榑松伸介アマスカウト統括は「1位指名の12人に入るだろう。直球の角度、質、力は高校生トップクラス」と評価し、広島・白武佳久スカウト部長は「直球に切れがあり、スピードも文句なし。フォーム的にもロッテの佐々木朗に似ている」と角度のある投球を「令和の怪物」と重ねた。

 バレーボールのスパイクのように高い角度から投じるフォームには、ルーツがある。山梨県出身の風間は小学生の頃、5学年上の長男・球道さんが投げる速球に憧れた。「“リストを強くすれば、速い球を投げられる”と言われた」。その助言を胸に刻んだ。手のひらを浮かせた腕立て伏せでリストを鍛え、高い位置から手首を返す今のフォームを習得した。

 輿石重弘監督の誘いを受け、地元の山梨から秋田に渡った。昨夏は甲子園大会がコロナ禍で中止に。独自大会で優勝したが「去年は勝ってうれしかったが“甲子園があったら”という気持ちになった。去年の3年生の分まで甲子園に行って勝ちたい」と言った。2年分の思いを背負い、4年ぶりの甲子園に必ず行く。(柳内 遼平)

 ▼中日・八木智哉スカウト 出力を上げる回や変化球を主体に投げる回があり、ゲームプランを持って投球ができる。フォークなど縦の変化球が主体で、スライダーでカウントを取れている。うまさもある。
 ▼DeNA・欠端光則スカウト 強い腕の振りから切れのあるボールが投げられる。速いボールとコントロールの良さが魅力でうまくピッチングができる。

 ◇風間 球打(かざま・きゅうた)2003年(平15)10月11日生まれ、山梨県甲州市出身の17歳。小1から野球を始め、塩山中では「笛吹ボーイズ」でプレー。ノースアジア大明桜では1年春からベンチ入り。遠投100メートル。50メートル走6秒9。高校通算5本塁打。憧れの選手はエンゼルス・大谷。1メートル83、81キロ。右投げ左打ち。

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