エンゼルス・大谷の水原通訳 本塁打競争で捕手と“二刀流”、名コンビで初出場初優勝狙う

[ 2021年7月12日 02:30 ]

打撃練習で捕手の練習をする水原通訳(右)
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 至近距離に援軍だ。エンゼルスの大谷翔平投手(27)が出場するオールスター戦(13日=日本時間14日)前日の本塁打競争の捕手役を、水原一平通訳(36)が務めることが決まった。10日(同11日)、球団が発表した。普段から通訳だけでなく、キャッチボールの相手や撮影係としても奮闘。メジャー生活をともに歩んできた名コンビで、初出場初優勝を狙う。

 大役の打診は、本塁打競争の打撃投手がジェーソン・ブラウン・ブルペン捕手に決まった後。水原通訳は、大谷から「(他に)捕手をわざわざ連れていく必要ないんだけど、どうする?」と相談された。捕手役は特別な技術が要求されるわけではなく「僕でいいんじゃないかとなった」と引き受けたという。

 とはいえ、高校までサッカー部とバスケットボール部に所属し、野球経験はない。この日、マリナーズ戦前のフリー打撃で早速、練習した。捕手スタッシから譲り受けたというド派手な星条旗柄のプロテクター。「意外と足が疲れた」と苦笑しつつも無難に終えた。見守ったジョー・マドン監督は「私は彼が大好き。“ヨギ・イッペイ”だ」と、ヤンキースの殿堂入り捕手ヨギ・ベラを引き合いに出してエールを送った。

 「普段通りの打撃練習の通りにやりたい」と話す大谷だが、メジャーでは初体験とあり、力むことも十分考えられる。水原通訳は「僕は座っているだけなので。一番いいところで見るだけです」と謙遜するが、ささいな変化に気付き、その「ささやき」が助けになるかもしれない。

 制限時間内に何本柵越えを放てるかで競う3ラウンド制の本塁打競争。後攻の選手が先攻選手の本塁打数を上回った場合には、そこで勝負が決まる。第1シードの大谷が全て後攻なのは、スタミナ面で大きなメリットがあり、「できれば最小限(のスイング)で勝ってほしい。翌日(の試合出場)も控えているので」と水原通訳。誰よりも大谷を知る男が、間近で後方支援する。(笹田 幸嗣通信員)

 ≪13日9時から本塁打競争 NHK総合&テレビ朝日系で生中継≫本塁打競争は現地時間の12日午後6時(日本時間13日午前9時)、オールスター戦は現地13日午後5時30分(同14日午前8時30分)から行われる。それぞれ、地上波ではNHK総合、テレビ朝日系で生中継。大谷は本塁打競争には第1シードとして出場する。試合には投打二刀流でプレーする予定で、登板は1イニングの見込み。

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