【復刻版・大谷翔平の水原通訳が語る】料理の腕前レベルアップ!何千球も見た“トラッキング”とは?

[ 2021年7月12日 19:25 ]

練習後は日本食で息抜き!テンピ市内の寿司店で交流を深めた(左から)水原通訳、ミドルトンと大谷(右)(ミドルトン提供)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(27)が出場するオールスター戦(13日=日本時間14日)前日の本塁打競争では捕手役を水原一平通訳(36)が務める。メジャー生活をともに歩んできた名コンビ。大舞台を前に、水原通訳がスポニチ紙面で大谷の素顔などを紹介してきたシリーズ「水原一平通訳 I REPORT」を「復刻版」として再配信します。

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 メジャー2年目を迎えたエンゼルス・大谷翔平投手(24)を公私にわたってサポートする水原一平通訳(34)。同氏は大谷の右肘手術後のリハビリ過程も一番近くで見守ってきた。「水原一平通訳 I REPORT」と題し、昨季から引き続き大谷選手の声を月1度のペースで伝えます。

 《先月23日からティー再開》翔平にとってメジャー2年目のキャンプが始まりました。僕は今、主に翔平が何のトレーニングをしたかをメモする係です。動画も撮り、今日、何のメニューを何回、どの重さをやったかを練習後に本人に送っています。

 2月22日(日本時間同23日)にティー打撃を再開しました。昨年9月のシーズン最終戦以来、ずっと打てていなかったので気持ち良さそうでしたね。日本に帰国している間はずっと「トラッキング」という練習をしていました。ピッチングマシンに僕がボールを入れて、翔平が打席に立ってそのボールを目で追う練習です。球速は90マイル(約145キロ)くらい出ていました。そういうのを何千球も見て、一度も振れなかったので。やっと初めてボールを打ててうれしかったんだと思います。

 《犬が癒やし…翔平は大型派》練習後の過ごし方ですが、今年も翔平は自炊をしています。「レベルアップしている」と言っていました。帰国している時に翔平の家で「チーズと牛肉のリゾット」を食べさせてもらいましたが、めちゃくちゃおいしかったですね。たまたま妻が数日間、家を空けていて、その間、僕の食事を心配してくれて「食べましょうよ」と。優しいですよね。先日は練習後に「ペットショップ」にも行きました。お互い犬が大好きです。翔平は実家でゴールデンレトリバーを飼っていたので、大型犬に目が行っていましたね。僕も今、チワワ2匹をアリゾナに連れてきています。雄の「たんたん」と雌の「ぷー」。翔平もたまにうちで一緒に遊びます。

 チームメートで仲が良いのは救援右腕のミドルトンです。キャンプ前に1度、一緒にテンピの寿司屋に行きました。ミドルトンはいわゆる米国式のロール系ばかり食べますけど、翔平は握り系のウニとか甘エビとかを食べていて、ミドルトンは「本場だな」と言っていました(笑い)。

 《英語力も上達しています》翔平の英語力もだいぶ、上がっています。1月26日(同27日)に全米野球記者協会ニューヨーク支部主催の晩さん会に出席して、英語のスピーチをしましたが、練習期間は2日間くらい。みっちりやったわけではないのに凄いですよね。スピーチの最後に「願わくば次はこのチートシート(カンニングペーパー)が必要なければ」とジョークで締めましたが、これは僕の発案です。そこまでの文章は翔平や代理人(ネズ・バレロ氏)、みんなと相談しながら作りましたが、翔平が「これだけじゃつまらないから、何かないですか?」と聞いてきました。米国はそういう締め方が好きだと思いました。翔平は何をやっても良い方向にいきます。

 今季も僕の仕事は基本的には変わらないのですが、なるべく翔平の邪魔にならないようにしたいです。野球に集中して、何より楽しくやってもらえれば一番かなと思います。(エンゼルス通訳)

2019年3月2日

 ◆水原 一平(みずはら・いっぺい)1984年(昭59)12月31日生まれ、北海道苫小牧市出身の34歳。6歳まで苫小牧市で過ごし、91年から和食料理人の父・英政さんの仕事の関係で米ロサンゼルスに移住。高校までサッカー部とバスケットボール部に所属。大学卒業後、岡島秀樹(レッドソックスなど)の通訳を経て、13~17年まで日本ハムの通訳。18年から大谷の通訳としてエンゼルスに所属。

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