【復刻版・大谷翔平の水原通訳が語る】スカッグス投手の人柄 今も流れる登場曲…タイラーを忘れない

[ 2021年7月12日 22:15 ]

水原通訳 I REPORT

亡くなったスカッグス投手(AP)
Photo By AP

 エンゼルスの大谷翔平投手(27)が出場するオールスター戦(13日=日本時間14日)前日の本塁打競争では捕手役を水原一平通訳(36)が務める。メジャー生活をともに歩んできた名コンビ。大舞台を前に、水原通訳がスポニチ紙面で大谷の素顔などを紹介してきたシリーズ「水原一平通訳 I REPORT」を「復刻版」として再配信します。

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 7月1日、私たちが一生忘れられない悲しい出来事がありました。タイラー(スカッグス投手)はチームのムードメーカーで、投手陣のリーダーでした。亡くなる直前のテキサスへの遠征時にカウボーイスタイルでの移動を提案したのもタイラーでした。本当にみんなの輪の中心にいました。

 同じ代理人事務所の先輩で、代理人からも「何かあれば彼を頼って」と言われていました。キャンプもシーズン中も翔平とロッカーが近く、昨年もキャンプ初日から常に気にかけてくれていました。翔平とはよく、スマートフォンのゲーム「クラッシュ・ロワイヤル」で対戦していましたね。

 タイラーはNBAレーカーズの大ファンでした。レブロン・ジェームズが移籍して来て、昨秋にホームデビュー戦があり「一緒に行こうぜ」と言ってくれていて、実際にチケットを手に入れて、見に行く約束もしていました。直前でタイラーに急用が入って、彼は行けなくなってしまったんですけど…本当に残念です。

 亡くなった夜は選手全員で集まりました。「タイラーも悲しむことを望んでいない」と、彼が好きだった曲をかけ、笑いも入れながら彼の話を一人ずつし始めました。翔平が話をする機会はなかったですが、聞き入ってました。

 タイラーはクラブハウスのDJ役で、音楽が大好きでした。印象に残っている曲は登場曲でもあった2 Pac(トゥーパック)の「Hail Mary」。僕の学生時代にはやっていたゴリゴリのラップです。その晩も、今でも試合の後に結構流されています。みんなにとって忘れられない一曲です。シーズンはまだ続きます。みんなが彼のことを思い、その思いを胸に戦っていきます。(エンゼルス通訳)

                        2019年7月30日

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