サトテルから始まるVロード 阪神・佐藤輝が犠飛で21年のチーム初打点 次は初安打、初アーチ!

[ 2021年3月27日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4ー3ヤクルト ( 2021年3月26日    神宮球場 )

<ヤ・神>2回無死一三塁、阪神・佐藤輝は左犠飛を放つ(投手・小川)(撮影・坂田 高浩)
Photo By スポニチ

 阪神は注目のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)が「6番右翼」として先発出場し、2回無死一、三塁から今季チーム初得点となる先制の左犠飛。開幕スタメンで起用された球団新人の初打席初打点は、2リーグ制以降初の快挙となった。試合はサンズの2本塁打 と継投リレーで4―3の勝利。16年ぶりVロードは、サトテルから始まった。

 頂点のみを見据える矢野阪神の口火を、この男が切った。2回無死一、三塁。今季の記念すべきチーム初得点をたたき出し、球団史に名を刻んだのは佐藤輝の一振りだった。

 「初打席でしたが普段通りの気持ちで打席に立つことができました。何とか1点、そこで先制点が取れたのでよかったと思います」

 しびれる場面で初打席は訪れた。敵地に詰めかけた虎党からの大歓声と拍手を背に、バッターボックスへ。1ボールからの2球目、小川の143キロ直球をプロ初スイングして空振り。その豪快なスイングに、神宮が今度はどよめきに包まれた。

 そしてフルカウントで迎えた6球目。外角低めの143キロをすくい上げた打球は左翼への犠飛。開幕スタメンで起用された球団新人の初打席初打点は、2リーグ制以降初の快挙だった。矢野監督からは「あいつのいいところはホントに落ち着いているというか。あんまり緊張している感じがしないのは、プロでは大事な強さだと思う。落ち着いて打席に入っていました」と称賛された。

 パワーの源と言える存在が、小学4年の末弟・悠くんだ。阪神のファンクラブ会員で藤浪や梅野のタオルを持ち、昨年も甲子園開催の試合に4度応援に駆けつけた大の虎党。兄の入団を心の底から喜んだ。「結構(年が)離れているんで。かわいいです。応援してくれていると思うんで。頑張りたい」。朝から晩までの練習で疲労困ぱいだった春季キャンプ中も、悠くんからの動画に元気をもらっていた。この日神宮に駆けつけた悠くんの目の前で、プロ初打点を記録。カッコいい姿を届けてみせた。

 「初戦ですし、気持ちも高ぶって。結果は出なかったですけど、切り替えて次に準備したいと思います」

 6回2死一、二塁では左腕・長谷川の前に左飛に倒れた。一、二塁間を極端に締めるシフトの前に、2打席目以降の3打席は凡退。初安打初本塁打は持ち越しとなり、大事には至らなかったが7回の守備では足を滑らせる場面もあった。「しっかり一試合一試合切り替えて、明日がいい日になるようにしっかり準備したいと思います」。勝利に安どの表情を浮かべつつ、その目はすでに次戦を見据えていた。 (阪井 日向)

 ○…神宮球場には強力な援軍が訪れていた。スタンドでは父の博信さん、母の晶子さんに加えて末弟と祖父母らが観戦。“大応援団”が待望のデビュー戦に熱視線を送った。博信さんは「最高です。寒すぎて涙は出ませんでした(笑い)。(初打点には)持ってますね!わが子ながらたいしたもの。(今後は)ケガなく一歩、一歩」と興奮気味で活躍をたたえた。

続きを表示

この記事のフォト

2021年3月27日のニュース