鳥取城北・山内 負傷を乗り越え、聖地で知った成長 「自責0」で負けた借りは夏に返す

[ 2021年3月27日 05:30 ]

第93回選抜高校野球大会第7日第1試合 2回戦   鳥取城北0ー1東海大相模 ( 2021年3月26日    甲子園 )

<鳥取城北・東海大相模>先発の鳥取城北・山内は8回0/3を1失点の力投を見せる (撮影・後藤 大輝)
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 【お帰り!春球児】勝ちたかった。勝たせたかった。山内は昨秋公式戦では2試合2イニングを投げただけ。奇襲先発ともいえる中で9回途中まで投げた。2回に味方失策から失った1点が決勝点となり自責のない失点を最後まで悔やんだ。

 「仲間のエラーを自分がカバーしていたら勝てた」

 豊かな才能を持ちながら故障に苦しんだ。中3時に右肘を疲労骨折。投球再開にこぎつけた1年後には腰椎分離症を患った。「心が折れそうになった」。そんな時、仲間に励まされた。投げられない間は走り込みや基礎トレーニングを続け2年春には試合で投げられるまでに回復。「地道に続けることの重要性を知りました」。苦労は少しだけ報われた。

 沖縄県名護市に住む両親の顔も浮かんだ。進学の際に背中を押され定期的に寮には大好きな「あぐー豚」の差し入れが届く。今年はすでに10キロだ。「自分が頑張ると決めたことに、全力で応援してくれる両親」。ともに看護師で新型コロナウイルスの脅威とも闘う父・昌也さん、母・千春さんは尊敬する存在でもある。成長を見せた春。恩返しを胸に夏、戻ってくる。 (桜井 克也)

 ◆山内 龍亜(やまうち・りゅうあ)2003年(平15)6月19日生まれ、沖縄県名護市出身の17歳。小2から宇茂佐サンガーズで野球を始め、捕手。屋部中では軟式野球部に所属した後、やんばるスラッガーズでプレー。鳥取城北では2年秋からベンチ入り。1メートル83、83キロ。右投げ右打ち。

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2021年3月27日のニュース