福岡大大濠、恐怖の8番・松尾が千金8強弾!元4番高校通算24本目

[ 2021年3月27日 05:30 ]

第93回選抜高校野球大会第7日第2試合 2回戦   福岡大大濠8―4具志川商 ( 2021年3月26日    甲子園 )

<具志川商・福岡大大濠>延長11回、左越えに勝ち越しの決勝本塁打を放つ福岡大大濠・松尾(撮影・成瀬 徹)
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 何とかしたい一心だった。4―4の延長11回。2ボールからの3球目。福岡大大濠の松尾光気は甘い直球を捉えた。白球は左翼席に飛び込むソロアーチ。高校通算24本目が決勝弾になった。「毛利が一生懸命投げていたので、1点入って良かった」。初戦4安打1失点完投のエース、毛利海大が10回途中に降板するまで4失点で粘っていた。その熱投に報いた。打線は松尾に続き、適時打も生まれて4点がスコアボートに刻まれた。昨秋九州大会の準々決勝の再戦で、雪辱を狙った具志川商を返り討ちにした。

 新チーム当初は4番だった松尾。現在は8番を打つ。八木啓伸監督は「リラックスした状態で打ってほしいから」と理由を説明。「できれば得点源を2つ、つくりたい。得点パターンに松尾がいれば」と狙いを語る。松尾は「最初は悔しかったけど、八木先生が何で自分をここに置いたかを考えてから(気持ちが)変わった」と冬場は打撃練習に力を入れてきた。1回戦の大崎戦では決勝の2点適時打。この日は2回に中前適時打。6回には中越えの三塁打を放つなど3安打2打点。“恐怖の8番”だ。「恐怖とは思わないですけど、下位打線で点が取れたらいいなとは思います」と笑った。

 5人きょうだいの次男。双子の姉、光紗(みさ)さんは高1の練習試合から弟の勇姿をカメラで収め続けている。「子供のときから光気の野球を見に行くのは好きじゃなかった。撮るようになって楽しくなった」。撮影した写真は母が松尾に送る。この日もスタンドから撮影。「この間、初めて“ありがとう”と言われた。今日のもバッチリ撮れました。光気にも、いろんな人に見せたい」と目を輝かせていた。

 4年ぶりのベスト8。松尾は「次もつないで、つないで。いい試合ができれば」と高みを目指す。

 ○…福岡大大濠―具志川商戦は今大会7度目となる延長戦で決着。1大会7度の延長戦は99、14年に並ぶセンバツ最多。

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2021年3月27日のニュース