東海大相模、公式戦初登板初先発の背番10・求が8強導いた　エース石田につないだ4回零封

第93回選抜高校野球大会第7日第1試合　2回戦   東海大相模1ー0鳥取城北 （ 2021年3月26日    甲子園 ）

＜鳥取城北・東海大相模＞先発の東海大相模・求は4回無失点の好投を見せる（撮影・後藤　大輝）
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　2回戦3試合が行われた。東海大相模（神奈川）は鳥取城北を1―0で下して3年ぶりの8強入りを決めた。公式戦初登板となった求（もとめ）航太郎投手（2年）が先発し4回無失点の好投。救援登板したエース左腕・石田隼都投手（3年）が5回無失点で逃げ切った。福岡大大濠、明豊（大分）もベスト8進出を決めた。

　東海大相模のラインアップに球場はざわめいた。1回戦に続き、エースの石田はベンチスタート。先発の大役は公式戦初出場の右腕・求だ。背番号10の2年生右腕は、全国で約170人しかいない珍名をとどろかせた。

　「真っすぐは走っている実感があった。緊張した中でも自分のピッチングができた」

　最速140キロを計測した直球で押した。捕手の小島大河が「テレビでは見えない切れがある」という武器を軸に4回2安打無失点。4回2死では内角直球で左飛に仕留め、55球で役目を終えた。

　大自然で育まれた1メートル80、83キロの体躯（たいく）と度胸のたまものだ。奄美大島で生まれた求は漁業権を持つ父・建臣（たけおみ）さん（53）の素潜り漁に3歳からついて行き、5歳の頃には一人でイシガキダイを捕らえた。小学3年で野球を始め、6年時には大食漢ぶりで伝説に。自分の分を食べ終わると、おぼんを持って1～5年の教室を回り、余った給食を平らげた。

　神奈川県に移った中学時代はU15日本代表に選抜されたが、昨秋はベンチ外。オリックス・山本が行う逆立ち、ブリッジなどを取り入れて鍛えた。阪神などでプレーした平野恵一氏（現阪神コーチ）を叔父に持ち、高校入学時に贈られたグラブをはめて快投。「（叔父がプレーした）甲子園への思いを大事にした」と笑顔を見せた。

　バトンを受けた石田は5回5安打無失点で7奪三振。2戦連続の好救援で1点のリードを守り「（投手陣は）次につなぐためにやってくれている。みんな頼りになります」と、うなずいた。3年ぶりの8強入り。門馬敬治監督は「相手を見ながら、自分たちを見ながらベストな投手を起用したい」と11年以来10年ぶりの頂点を見据えた。（柳内　遼平）

　≪今大会4度目の1－0≫東海大相模が1―0で鳥取城北に勝利。今大会の1―0決着は4試合目となった。センバツ1大会で1―0試合が4試合以上は5試合あった08年以来13年ぶり。東海大相模の1―0勝利は75年春の2回戦・倉敷工戦以来46年ぶり2度目。