昨季6打点のDeNA・田中俊、セ新記録の開幕戦6打点!古巣・原監督「敵ながら大したもんですね」

[ 2021年3月27日 05:30 ]

セ・リーグ   DeNA7ー8巨人 ( 2021年3月26日    東京D )

<巨・D>3回2死一、三塁、菅野(左)から同点中前適時打を放つ田中俊(撮影・木村 揚輔)
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 敵将・原監督の言葉がDeNA・田中俊の存在感を際立たせた。

 「敵ながら大したもんですね。マークを強くしないといけない。格上げ人事だね」

 原監督は東海大相模、東海大の先輩であり、プロでも指導を受けた。巨人にFA移籍した梶谷の人的補償で加入し、「7番・二塁」で2年ぶりに開幕戦に先発出場。最後はサヨナラ負けを喫したが、ワンサイドになりそうな流れを獅子奮迅の活躍で激戦に持ち込んだ。

 「違うチームとして(東京)ドームでプレーできたのはうれしい。温かい声援に感謝します。けど、負けてしまい悔しい」。高校、大学の先輩・菅野から2回に中犠飛、3回に中前適時打。「凄い投手。今後に生きる」と気を良くし、5―7の9回2死二、三塁では、東海大の同学年である中川から左前2点打。計2度の同点打を放つ執念を見せた。4打数3安打6打点。6打点はOBのレオン、ポンセ、筒香と歴代の強打者が記録した5打点を抜き、セ・リーグの開幕新記録だ。昨季は年間で6打点だった。

 キャンプでは二塁、三塁、さらにファーストミットも持ち込み、ノックを受けた。内野のユーティリティーとして出場機会を得るためだ。物静かな男。新天地で溶け込めるか不安はあったが「みんなから声を掛けてもらってありがたかった」と明るいチームカラーに救われたという。

 オープン戦は21打数2安打で打率・095。それでも三浦監督は田中俊を開幕先発に抜てきした。二塁はベテランの大和との争いも「オープン戦の終盤に調子を上げた」と自らの眼力を信じて田中俊を起用。正解だった。

 開幕投手でプロ野球ワースト記録の7連敗を喫し、一度も勝てなかった指揮官。監督としても黒星に「悔しい。明日やり返す」と語気を強めた。田中俊はこう言った。「今日は自分のスイングをする大事さが分かった。これを今後も続けていきたい」。番長に恩返しをするため、古巣への痛烈な恩返しを続ける。(大木 穂高)

 《パ最多は7打点》田中俊(D)が4打数3安打で自己最多となる6打点。開幕戦の最多打点は94年トラックスラー(ダイエー)の7打点だが、セでは85年レオン(大洋)、86年ポンセ(大洋)、94年松井(巨)、11年長野(巨)、19年筒香(D)の5打点を抜く新記録となった。

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2021年3月27日のニュース