田淵幸一氏 阪神・佐藤輝はフォームも心意気も本物の大砲 清原の新人本塁打記録狙え!

[ 2021年3月27日 20:10 ]

セ・リーグ   阪神9ー5ヤクルト ( 2021年3月27日    神宮 )

スポニチ評論家の田淵幸一氏
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 阪神の怪物ルーキー・佐藤輝明が初回、プロ初安打となる1号2ランを放った。バックスクリーンへの特大弾。阪神OBで通算474本塁打をマークしたスポニチ本紙評論家の田淵幸一氏は、その衝撃のバッティングに最大級の賛辞を送った。

 何という大物だろう。新人であそこまで飛ばす選手がいるのか。甘いボールではあったが、打った瞬間にそれと分かる豪打だった。堂々とした風貌に勝負強さがにじみ出る面構え。佐藤輝は阪神にぴったりの顔だと思うし、何かやってくれる、という雰囲気が漂う。

 ホームラン打者の特長を端的に表すフォームをしている。打ちにいった際、絶対に頭が投手側に突っ込まない。軸足である左足に体重が残り、のけ反ったような形で強烈にボールを叩く。ソフトバンク・柳田と同じタイプで、頭が残るから逆方向にも打てる。初球も積極的に打ちにいってファウル。追い込まれるまで好球必打、フルスイングを貫く姿勢も似ている。長距離打者としての強い自覚を感じる。

 バットの握りからも長距離砲としてのこだわりが伝わる。佐藤輝は右手の小指を余らせ、グリップの先端に掛けて握っている。私の現役時代も同じだった。バットを長く持つことで遠心力でヘッドがより走り、ほんの数センチだが外角球にバットが届く。これも逆方向への一発を生み出す要因の一つだ。

 今でも忘れない。私のプロ初アーチは開幕3戦目。甲子園での大洋(現DeNA)戦のダブルヘッダー2試合目で、1試合2本塁打を放った。佐藤輝はどこまでいくのか。私の1年目の本塁打数22本はもちろん抜くだろう。長嶋茂雄さん(巨人)の29本、新人最多記録の清原和博(西武)の31本の更新をぜひ狙ってほしいと思う。バットに当たればスタンドへ。こんな魅力的な選手はなかなか出てこない。

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