大船渡・佐々木“消える魔球”で7回16K 163キロ封印も打者お手上げ「球が見えないです」

[ 2019年5月12日 05:30 ]

練習試合   大船渡10―0紫波総合 ( 2019年5月11日 )

一関一との練習試合で2回1失点だった大船渡・佐々木
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 絶対的オーラで圧巻の16奪三振だ。今秋ドラフトの超目玉、163キロ右腕の大船渡・佐々木朗希投手(3年)が11日、岩手県内で行われた紫波(しわ)総合との練習試合に先発。160キロ超の剛球を封印した新スタイルながら、5者連続を含む毎回の16奪三振の快投を見せた。今年最長の7回、同最多の95球を投げ、2安打無失点。16日開幕の春季岩手県大会、そして夏へ向けて順調ぶりを印象づけた。

 しなやかに、そして力感はない。球速を抑えても直球が伸び、変化球は切れた。何より圧倒的な存在感。マウンドには試合を支配する佐々木がいた。

 「見えないです、スライダーが」。対戦した紫波総合の選手たちが、そう言ってベンチに帰ってきた。切れるから打者の視界から消える。剛球を封印した佐々木にとって、夏へ向けて大きな武器となり得るボールだ。

 この日投じたのは計95球。うち直球は半分に満たない44球で、カーブ19球、スライダーとチェンジアップがともに14球、フォーク4球だった。直球は時折ギアを上げたが、3日の沿岸南地区の初戦(対住田)のときと同じく「4、5割」程度の力だ。スピードではなく伸びを確認している様子で、変化球は切れと制球を重視しているようだった。そんな中で「消える」スライダーは有効だった。

 ただ、初回の三塁内野安打と6回の中前打はいずれもスライダーを打たれた。やや高めに入り切れを欠いた。課題を残しつつ、16奪三振のうち14個が変化球。剛球を封印しても三振が取れる。3回には2死無走者で、クイックでチェンジアップを投じて空振り三振。投球パターンにも変化をつけていた。先月の会見で「課題を夏へ向けてつぶしていきたい」と言った通り、今年最長の7回を投げる中でいろいろと試した。

 凄いのは投球だけではない。周囲へ与える影響も「令和の怪物」は大きい。紫波総合の小野寺健太監督(25)が、大船渡・国保陽平監督(32)と盛岡一の先輩後輩という間柄で組まれた練習試合。「本来は投げてもらえる投手でないですから。ありがたい。選手にとっては、野球選手冥利(みょうり)に尽きる一日になった」。小野寺監督はそう言うと「本気のボールは一球もなかったと思うけど、醸し出すオーラが凄い。未知の球を見られてよかったです」と続けた。

 対戦相手にとっても貴重な経験。佐々木は周囲へ好影響を与えながら進化し続ける。(秋村 誠人)

 《「日本一の投手、脳裏に焼き付いた」》岩手紫波総合は部員9人のチーム。ダブルヘッダーの第1試合で大船渡・佐々木の前に16三振。試合も0―10で敗れた。昨年4月の練習試合では佐々木は代打出場だっただけに、小野寺監督は「日本一の投手に投げてもらって(選手の)脳裏に焼き付いた。これで怖いものはない。プラスに変え、今度当たったら打てるように練習したい」と夏へ向けて意欲を高めていた。

 《岩手県大会18日初戦 釜石と対戦》大船渡は18日に春季岩手県大会の1回戦で釜石と対戦する。勝利すると、19日の2回戦は花巻農と久慈東の勝者と対戦。ベスト8に進出すれば、夏の岩手大会のシード権を獲得する。上位3校は6月6日からの東北大会に出場。夏の甲子園出場を懸けた岩手大会は7月11日に開幕する。

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