元広島トレーナーが明かす衣笠さん秘話“カミソリシュートでヒゲそられた”

[ 2018年4月29日 09:20 ]

現役時代の衣笠さんをマッサージする福永富雄トレーナー部アドバイザー
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 衣笠祥雄氏の現役当時の球団トレーナーで、いまは広島のトレーナー部アドバイザーを務める福永富雄氏が公私ともに親しかった故人をしのんだ。

 キヌとの付き合いは長く、彼が平安高からカープに入団した直後からだから、かれこれ50年。尽きない思い出の中で、本人から聞いた印象深い話がある。

 投球が頭に当たると大変だけど、オレはラッキーなことに頭部への死球が一度もない。ただ、カミソリシュートを持つ平松(政次=大洋)にはヒゲを剃られたことがある――と。

 投球があごヒゲをかすめたことを表したもの。それだけ避けるのが上手だったわけだ。あの反射神経、避け方はキヌだからこそ。それが本人にすると、ラッキーになる。頭部死球がないからね。

 根本(陸夫)さんが監督に就任した昭和43年も印象に残る。開幕直後に太ももの肉離れを起こし、悪化するからストップをかけた。監督に出場は厳しい旨を伝えると、“本人が出ると言っているから出す。盗塁のサインも出すよ”と。実際に盗塁もやってのけた。

 これもキヌだからこそ。誰にもまねできない。使う根本さんも凄い。後に患部を確認すると、ディボットのようになっていた。部分断裂。それでも休まず、試合に出続けながら治した。そうした姿勢が他の選手にも伝わり、黄金時代の礎となったように思う。

 お互いにジャズが好きでね。キヌがまだ二十歳そこそこで2軍の頃、試合後や練習のないオフに広島市内のジャズ喫茶に一緒によく通った。1人になると、いろんなことを思い出し、ついつい涙腺が緩んでしまう。冥福を祈りたい。 (談)

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