ヤクルト西浦が殻を破る時――勝負の5年目「失敗するなら、前向きな失敗を」

[ 2018年4月29日 10:30 ]

4月4日の広島戦のお立ち台で、青木(左)とともに笑顔を見せる西浦
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 ヤクルト・西浦直亨内野手にとって真価が問われるシーズンは、早くも1カ月が経とうとしている。今季はここまで17試合に出場。絶好調だった打撃は最近2試合は無安打だが、遊撃や三塁で出場機会を増やしている。

 2月の沖縄キャンプ中のことだった。ある日の紅白戦。遊撃手の西浦は、広岡の三遊間への当たりを簡単に諦め安打とした。遊撃の定位置を争う年下のライバルに、1安打を献上した形だ。首脳陣からは「ライバルなら、絶対に止めてアウトにしてやろうと思わないのか。もっと必死にいけたのではないか」と叱責された。

 もちろん、西浦がこの試合を通じて必死にやっていなかったというわけではない。感情が表に出にくい性格でもある。しかし昨秋のキャンプでガムシャラに汗を流す姿を見た小川監督が主将候補に挙げたほど期待を寄せていた存在だ。だからこそ、そのワンプレーはあまりにも寂しかった。「そういうことを言われてしまう情けなさがあった」と西浦。定位置獲得を狙った昨季も72試合の出場で打率・208に止まり、チームも屈辱的な96敗。「昨年と同じことをしていてはダメ」と今年に懸ける思いは強かった。

 心に決めた。「失敗するなら、前向きな失敗を」――。これまでは失敗すると「ダメだ、となっている自分がいた」と引きずることが多かったという。しかし今年はステップアップの糧とする。キャンプ後に2軍落ちしても、開幕1軍に滑り込んだ。4月4日の広島戦。今季初スタメンでチームの本拠地初勝利に貢献。お立ち台には、青木とともに笑顔を見せる西浦がいた。

 14年に開幕戦で史上初の新人初打席初球本塁打でプロ野球人生をスタートさせた男も、もうプロ5年目を迎えている。「今年もきっといろいろなことがあると思う。しんどいときに、成長を見せられるかどうか。今できることをしっかり続けていければいいなと思います」。西浦が殻を破るとき、低迷するチームも押し上げてくれるはずだ。(記者コラム・町田 利衣)

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