35歳・小平 10位で北京に別れ、出場2種目とも入賞逃す「自分なりにやり遂げることはできた」

[ 2022年2月18日 05:30 ]

北京五輪第14日 スピードスケート女子1000メートル ( 2022年2月17日    国家スピードスケート館 )

日本の応援席に手を振る小平(撮影・小海途 良幹)
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 小平はレースを終えてコーナーを流すと、結城匡啓コーチと右手でタッチを交わした。連覇を目指した500メートルはスタートで出遅れ、まさかの17位。今大会最終種目に全てを懸けたが、表彰台は遠かった。1分15秒65の10位。出場2種目とも入賞を逃し、小平の4回目の五輪挑戦が終わった。

 「500のような大きなミスはなかったが、年が明けてから一度、右足首を捻挫し絶望的な状況に陥ってしまって、大会に間に合うか心配だった。成し遂げることはできなかったが、自分なりにやり遂げることはできたと思う」

 前日練習ではスタートを入念に確認。出遅れで焦り、崩れたフォームを取り戻すことにも時間を割いた。少女時代はスケート未経験の父が指導者。2人で実業団の試合に足を運び、映像も研究して試行錯誤した。当時から培った、自ら考えて実践する力の根底がある。失意から中3日。ミスと向き合い原因を分析し、今大会最終レースを迎えた。

 所属の枠を超えて年間300日超の合宿で強化するナショナルチームに所属せず、普段は信州大の学生らと練習。日本代表として活動するW杯や五輪の期間中もナショナルの高木姉妹、佐藤らと一緒に練習することはない。18年平昌では本命の短距離だけでなく1500メートルも出場権を獲得。ナショナル中長距離陣の壁ともなった。

 高木美は「ナショナルチームのオールラウンダーにとって、小平選手は大きな存在。常に負けたくない気持ちがある」と評する。メダルを逃しても、小平なしではチームジャパンの躍進はあり得なかった。

 ▼元韓国代表の李相花(イサンファ)さん(小平と18年平昌大会女子500メートルで金メダルを争ったライバルで友人)メダルを獲れなかったのは残念だけど、今はただ会ってお疲れさまと伝えたい。最後まで完走する姿を見て、やっぱり奈緒だと思った。

 ◇小平 奈緒(こだいら・なお)1986年(昭61)5月26日生まれ、長野県茅野市出身の35歳。3人姉妹の末っ子で、姉の影響で3歳からスケートを始める。伊那西高、信州大を経て、現在は相沢病院に所属。10年バンクーバーで五輪初出場し、女子団体追い抜きで銀メダル。14年ソチは500、1000メートルに出場したが、表彰台を逃した。18年平昌は500メートルで金、1000メートルで銀。趣味はコーヒー。1メートル65、60キロ。

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2022年2月18日のニュース