坂本花織と三原舞依の絆「ライバルに巡り会えた彼女たちは幸せ」

[ 2022年2月18日 07:00 ]

北京五輪第14日・フィギュアスケート女子フリー ( 2022年2月17日    首都体育館 )

小さい頃からライバルとしてお互いを高め合ってきた坂本花織(左)と三原舞依
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 背中を追い、ずっと高め合ってきた。坂本花織(21=シスメックス)にとって今も昔も欠かせない存在の1人が、同じリンクで練習する三原舞依(22=シスメックス)。4歳から神戸FSCでフィギュアスケートを始め、小学1年の時に出会った。

 「スケートを始めて2年目の時に舞依ちゃんが入ってきた。舞依ちゃんは何事も1番を目指していたけど、その時の自分にはそういう気持ちがなくて…。ダブルアクセルは舞依ちゃんが先に跳んだし、3回転ルッツまで舞依ちゃんが先に跳んだ。ジャンプで先を越されて“これはまずい”と。初めて“勝ちたい”と思った人」

 以前、三原について坂本花織はそう語ったことがある。ライバルであり、かつ仲が良くわかり合える同志。お互いに成長を続けてきた中、三原は体調不良により19―20年シーズンを全休した。そのシーズン、坂本も全日本選手権でシニア転向後ワーストの6位に沈むなど、どん底にいた。

 「成長が感じられなかった1年。スケート人生が終わっちゃった。燃え尽きた」

 世界はコロナ禍に見舞われ、坂本自身も約1カ月半、滑ることができなくなった。氷から離れた時期に再び気持ちにスイッチが入り、徐々に情熱を取り戻した。迎えた20―21年シーズン。三原もリンクに戻ってきた。

 「帰ってきてくれてうれしい」。そう喜ぶ坂本の姿に、中野園子コーチは「2人そろったことで坂本の歯車も合ってきた」と言った。切磋琢磨(せっさたくま)する存在の復帰は、大きな意味を持っていた。

 小さいころに出会い、影響を与え合ってきた2人。五輪出場を逃しながらも三原は今年1月の四大陸選手権を制し、坂本は2度目の大舞台で銅メダルをつかんだ。「ライバルに巡り会えた彼女たちは幸せだと思います」。子どもの頃から指導する中野コーチの言葉だ。坂本にとって三原が、三原にとって坂本がいたから、ここまで来られた。

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