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ワリエワ 傷だらけ暫定4位 ドーピング騒動影響か…精彩欠きミス連発 疑惑残したまま終了

[ 2022年2月18日 05:30 ]

北京冬季五輪第14日 フィギュアスケート女子フリー ( 2022年2月17日    首都体育館 )

女子フリー、演技を終え顔を覆うワリエワ(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ

 昨年12月のドーピング違反が判明しながら個人種目出場を認められた女子SP1位のカミラ・ワリエワ(15、ロシア・オリンピック委員会=ROC)はフリーでミスを連発して5位にとどまり、合計224・09点の4位でメダルを逃した。ドーピング問題が決着するまで順位は暫定となる。SP2位のアンナ・シェルバコワ(17=同)がフリーでも2位の合計255・95点で金メダルを獲得した。

 ワリエワはキス&クライですすり泣き、立ち上がることができなかった。自身がメダルを逃したことで始まった表彰式の準備に背を向け、取材エリアを無言で通過。あまりの強さに「絶望」と愛称を付けられた15歳の初五輪は無残に終わった。

 シニアデビューの今季、無敵を誇った姿とは全く違っていた。最終25番滑走で冒頭の4回転サルコーは着氷したが、次のトリプルアクセル(3回転半)はステップアウトで手をついた。4回転トーループはステップアウトで、続く3回転トーループは転倒。2本目の4回転トーループも転倒した。公式練習でも4回転トーループに失敗しており、五輪のプレッシャーに加え、ドーピング騒動の影響は明らかだった。

 フリーを前に疑惑はさらに深まっていた。米紙ニューヨーク・ポストはワリエワから禁止薬物トリメタジジンに加え、心臓疾患の治療に使用される「ハイポキセン」と「L―カルニチン」が検出されたと報じた。米反ドーピング機関(USADA)のタイガート委員長は3種類の薬の組み合わせが持久力の向上などにつながるとした上で、検出されたトリメタジジンの濃度は1ミリリットルあたり2・1ナノグラムだったと指摘。「他のスポーツ選手の汚染サンプルと比較して約200倍にあたる」と衝撃の事実を明かした。

 米CNNはワリエワらROC女子選手の過酷な練習と使い捨てのような代表選考の現状を紹介。五輪出場継続が認められた裁定の主な理由は「要保護者」だったが、「この大会に要保護者も勝者もいない」と断じた。

 《ワリエワのこれまで》
 ▼21年12月25日 ロシア選手権女子シングルで優勝。
 ▼22年2月1日 北京入り。
 ▼同7日 団体で五輪の女子競技史上初めて4回転ジャンプを着氷。
 ▼8日 ロシア選手権の検査結果をWADAが報告。禁止薬物のトリメタジジンに陽性反応を示し、RUSADAはワリエワを暫定資格停止処分に。団体戦表彰式は「法的問題」で延期。
 ▼9日 RUSADAの規律委員会に異議申し立て。暫定資格停止処分が解除される。各国メディアがドーピング違反を報じる。
 ▼10日 個人戦へ練習再開。
 ▼11日 ドーピング検査を管轄する国際検査機関(ITA)が大会前のドーピング違反を公表。IOCなどが暫定資格停止処分解除への異議をCASへ申し立て。
 ▼13日 CASがオンライン形式で聴聞会。
 ▼14日 CASが個人戦出場を認める。
 ▼15日 女子SPで首位発進。同日付の米紙ニューヨーク・タイムズが、禁止薬物トリメタジジン以外に、心臓疾患の治療に使用される「ハイポキセン」「L―カルニチン」が検出されたと報道。
 ▼16日 本番リンクで公式練習に参加。

 ◇カミラ・ワリエワ 2006年4月26日生まれ、ロシア・カザン出身の15歳。09年にスケートを始め、18年シーズンからトゥトベリゼ・コーチに師事。19~20年シーズンにジュニア・グランプリファイナルと世界ジュニア選手権を制覇。21年からシニアに参戦し、スケートカナダやロシア杯、欧州選手権で優勝。SPの90・45点、フリーの185・29点、合計272・71点はいずれも歴代世界最高記録。1メートル60。

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