大西翔太〝即効〟ラウンド術⑥ ダフリ、トップを防ぐアプローチ

[ 2022年2月18日 12:00 ]

大西翔太〝即効〟ラウンド術⑥ ダフリ、トップを防ぐアプローチ
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 実戦のスキルが確実に上がる大西翔太コーチのレッスン。第6回のテーマはダフリ、トップを防ぐアプローチの基本です。冬場は芝が薄いため、ベアグラウンドに近い薄い芝から打つ機会が増えます。ボールの手前にクラブヘッドが下りると、ダフリやトップにつながるため、このライを難しく感じる人も少なくありません。うまく打つためのテクニックを荒川侑奈選手が大西コーチに教わりました。読者のみなさんもぜひ試してみましょう。 動画で見る・大西翔太〝即効〟ラウンド術⑥ダフリ、トップを防ぐアプローチ

 大西 荒川さんは芝が薄いライは得意ですか?

 荒川 少しでもボールの手前を叩くとダフリやトップなどのミスが出やすいライなので、正直得意ではありません。むしろ、どのように打てばミスをしないのか教えていただきたいぐらいです。

 大西 確かに芝が薄いライからのアプローチに対して、苦手意識を持つゴルファーは多いと思います。この場合、あえてアプローチの基本に戻ることがミスを最も避けられる方法なんですよ。

 荒川 どういうことですか?

 大西 アドレスでのグリップエンドとヘソの距離を変えずにクラブを振ってほしいんです。特にスイングを時計の文字盤に見立てた場合の8時から4時のゾーンでは、絶対に変えないように心がけてください。もしもその距離が近づいたり、離れたりすると、ダフリ、トップが出てしまいます。逆に距離をキープできれば、たとえボールの手前にクラブヘッドが下りても、ソールが滑ってくれるのでボールをうまく拾えます。

 荒川 その際の注意点はありますか?

 大西 おなかを回すことですね。手だけでクラブを上げて下ろすと、間違いなくグリップエンドとヘソの距離が変わってしまいます。うまい人のアプローチを見ると、必ずおなかを回していますが、ダフリ、トップが出る人はほとんどおなかが回っていません。

 荒川 実際にグリップエンドとヘソの距離を変えずに打ってみましたが、意外と簡単に打てる感じがします。

 大西 シンプルな打ち方なので、アドレスの位置にヘッドが戻る確率が高くなりますからね。このアプローチができると、薄い芝だけでなく、ベアグラウンドからでも対応できます。また、クラブフェースを開いて打つアプローチでの成功率も上がります。反対にこの動きができていないと他のアプローチでの成功率は低くなるでしょう。

 荒川 体の軸をぶらさないまま、グリップエンドとヘソの距離を変えない意識を持つ。その際におなかをしっかり回すわけですが、その動きをうまく行うためのドリルを教えてもらえますか?

 大西 グリップエンドをおなかにつけた状態で構えてみましょう。両手はシャフトの部分を握ります。あとは8時から4時までの素振りを繰り返すだけです。

 荒川 なるほど、これだとおなかを回す感覚がつかめそうですね。

 大西 手だけでクラブを上げると、間違いなくグリップエンドがおなかから外れますからね。フォロースルーでも同じ現象になります。おなかを回しつつ、手元と体を同調させる動きを体感するには、この素振りが効果的です。練習に入る前に数回試し、その後で普通にクラブを握りなおして、ボールを打ってみましょう。ドリルと実際にボールを打つ練習を繰り返すことで、徐々にグリップエンドとヘソの間隔を変えずに打つことができるようになりますよ。

 (取材協力・船橋カントリークラブ)


 ◆大西 翔太(おおにし・しょうた)1992年(平4)6月20日生まれ、千葉県出身の29歳。12歳でゴルフを始め茨城・水城高ゴルフ部で石井貢監督に師事。卒業後に日本プロゴルフ協会ティーチングプロA級資格を取得。女子プロの青木瀬令奈と契約を結び昨年のサントリー・レディースでは復活優勝に導く。昨年から渋沢莉絵留も指導。妹の葵も女子プロ。

 ◆荒川 侑奈(あらかわ・ゆな)1995年(平7)10月28日生まれ、千葉県出身の26歳。9歳でゴルフを始め関東中学選手権、千葉県ジュニアで優勝。聖徳大付女子高卒。1Wの平均飛距離は250ヤード。

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