錦織 日本人初の大金星!世界ランク1位撃破で決勝進出

[ 2011年11月6日 06:00 ]

シングルス準決勝で世界ランク1位のジョコビッチを破る大金星の錦織圭

 日本の若きエースが大金星を挙げた。男子テニスのスイス室内は5日、スイスのバーゼルで行われ、シングルス準決勝で、世界ランキング32位の錦織圭(21=ソニー)は同1位のノバク・ジョコビッチ(24=セルビア)を2―6、7―6、6―0で破り、自身3度目の決勝進出を果たした。昨年の全仏オープンでストレート負けしたジョコビッチから歴史的な勝利を奪い、08年2月のデルレービーチ国際選手権以来のツアー2勝目に王手をかけた。決勝では、第3シードのロジャー・フェデラー(スイス)と対戦する。

 室内にこだまする大歓声に、錦織は右手を上げて応えた。今年の4大大会で全豪、ウィンブルドン選手権、全米を制して絶好調だったジョコビッチを破る大金星。試合後は世界1位から肩を叩かれて祝福された。

 「準決勝に至ったというのは、僕にとって本当に素晴らしい経験。自分のプレーにわくわくしてもいる」。第1セットは2―6で落としたが、第2セットはボールを拾いまくりタイブレークをものにした。最終セットは集中力が切れたような相手から着々とポイントを奪い、ラブゲームで制した。

 「第2セットの終盤までいいプレーができていなかったけど、そこからプレーのレベルが凄く上がった。(出場2大会連続でベスト4に入って)自信になり、プレーも変わった」と胸を張った。

 ジョコビッチに昨年の全仏オープンでストレート負けした。ただ、臆するところはなかった。「別のレベルにいる選手。でも言うまでもなく、彼を倒すつもりでコートに入る」と意気込み「彼を倒すには、僕のベストテニスをしなければならない」と真っ向からぶつかった。日本勢では1992年に松岡修造が当時世界ランク2位だったステファン・エドベリ(スウェーデン)を倒しているが、もちろん世界1位撃破は初の偉業だ。

 今大会では1回戦で世界ランク6位のベルティハを撃破。前戦のマスターズ上海大会でも現在7位のツォンガに勝った。ジョコビッチにも勝ち、世界ランクトップ10を立て続けに倒したことになる。錦織は関係者に「勝ち方が分かってきた」と自信をのぞかせた。これで4月の全米クレーコート選手権以来のツアー3度目の決勝進出。日本人初めてのツアー2勝目が見えた。

 ≪錦織 圭メモ≫

 ☆生まれ&サイズ 1989年(平元)12月29日、島根県松江市出身の21歳。1メートル77、70キロ。プレースタイルは右打ち(両手バックハンド)。

 ☆ジュニア3冠 5歳でテニスを始め、小学6年時の01年に全国選抜ジュニア選手権、全国小学生大会、全日本ジュニア12歳以下を制し、史上5人目の全国制覇3冠を達成。

 ☆米国留学 中学2年時の03年に「財団法人盛田正明テニス・ファンド」の強化選手に選ばれ、アンドレ・アガシ、マリア・シャラポワらを輩出している「ニック・ボロテリー・テニスアカデミー」(米フロリダ州)に留学。

 ☆プロ転向 07年7月のインディアナポリス選手権で予選を勝ち上がって本戦に出場。日本人最年少の17歳でツアー8強入り。同年10月のAIGオープンでプロ転向を発表。

 ☆初優勝 08年2月、デルレービーチ国際で予選から勝ち上がり、決勝で世界ランク12位のジェームズ・ブレークを破って初優勝。同年8月の全米オープンでは日本人男子シングルスでは71年ぶりに16強入り。 

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