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風雲児ニコラ・ペペ 過性?それとも大化け?

今季、フランス・リーグアンで注目を集めているリールのFWニコラス・ぺぺ
Photo By AP

 フランスで、ある選手が流行児になっている。その名はニコラ・ペペ(リール)。パリ西郊外のマント・ラ・ジョリに生まれたフランス人だが、ルーツであるコートジボワールの国籍も持ち、代表はコートジボワールを選択した23歳だ。

 なぜ流行かと言えば、とにかく猛スピードで突破し、スペクタクルなゴールを量産しているから。19歳で世界を驚愕させたエムバペには及ばないが、少なくともエムバペが起こした革命の波に乗っていると言える。

 ゴール数も半端じゃない。今シーズンもすでに5ゴールを叩き入れ、ネイマール(7)、トーヴァン(6)に次ぐリーグ3位で、カバーニと並んでいる。そもそも昨季、降格しそうだったリールを救った選手がこのペペ。しかも今季は、そのリールを一気に2位に押し上げている。

 「僕は突破型の選手。かなりちょくちょく、最終30メートルのゾーンで相手を抜き去ろうとする」

 本人もこう言うとおり、スピード、ドリブル、パワー、クイックネスとテクニックを発揮しつつ、右サイドから敵に襲いかかるレフティー(逆足)だ。それがマルセイユ(OM)戦で爆発したからたまらない。なにしろ高人気のOMの試合は、多くが日曜夜のゴールデンタイムに中継される。挑戦する選手にとっても注目の的になれる場なのだ。

 ペペもこの機を逃さなかった。直接対峙の酒井宏樹(この日は左SB)こそ崩しきれなかったが、何度も猛スピードを見せつけ、しつこい酒井を避けて中央から突破すると、2回もPKをゲット。ほとんど一人でOMを粉砕してしまったのである(3−0)。

 そこでTV討論会では、「ペペはフェノメーヌ(怪物)か?」という議論が沸き起こった。

 「フェノメーヌというのはエムバペのような選手のことよ!これから故障もあるかもしれないし、まだ不明だわ」(TVジャーナリストのカリーヌ・ガリ女史)、「間違いなく“素晴らしい選手”とは言えるが、フェノメーヌではない」(レキップ紙のエティエンヌ・モワティ記者)という主張が出るかと思えば、「あの活躍ぶりを見るとフェノメーヌと言えるのではないか」(ジェルヴェ・マルテル元RCランス会長)の意見も。

 そのキャリアも人々の注目を引いている。ほんの数年前までアマクラブのポワティエにいたからだ。「プロになるなんて思ってもいなかった」(本人)そうだ。

 ところがアンジェ監督の友人がペペのポテンシャルに目を留め、採用を推薦。「育成センターの何たるかなんて知らなかった」から、「ある髪型でアンジェにやってきて・・・」と笑う。その辺をぶらぶらしている若者特有の風貌だったようだ。だがアンジェ育成センターのディレクターが、すでにポスト・フォルマシオン(後育成)期に入っていたにもかかわらず諦めずに教育し、ついにプロデビュー。あっという間に活躍してリールに引き抜かれた。

 そしてリールでも、ガルティエ現監督が来るや、得意の右サイドでブレイク。この夏にはリヨンが、ペペを引き抜こうと攻勢をかけた。だがペペは、7年連続フランスチャンピオンの歴史を誇り、チャンピオンズリーグにも出場できるリヨンを拒否、リールに残留して人々を驚かせた。

 「ここでやるべきことを終えていないから。僕はキャリア計画もしっかり持っているんだ」

 この言葉には、自信と野心が漂っている。それでいて、アザールのように一気にリールから外国を目指すのかと問われると、「そういう観点には立っていないよ。リーグアンかもしれないし外国かもしれない。でも当面はリールのプロジェクトだ」と、苦労人の謙虚さも見せている。どうやら正確な目標を胸に秘めているらしい。

 もとはソリストだったが、最近はコレクティブに成長し、OM戦でゲットしたPKの1つはチームメイトのバンバに譲ってもいる。今シーズンのリールでペペは、計8試合で8ゴールに絡む大活躍。まさに風雲児となっている。

 果たしてペペは、一過性の風雲児に終わるのか? それとも1、2年後に大化けするか?しばらく要注目の選手である。(結城麻里=パリ通信員)

[ 2018年10月3日 20:00 ]

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