【芸人イチオシ】ラパルフェ 「新しい阿部寛」で目指すお笑い界の「東大」

[ 2023年5月5日 12:00 ]

阿部寛の物まねをする都留拓也(左)と尾身智志
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 目指すは“お笑い界の東大”だ。「バカとブスこそ東大へ行け!!」。TBSドラマ「ドラゴン桜」で阿部寛演じる高校再建に燃える弁護士の名言を使いこなし、爆笑をかっさらう芸人がいる。物まねが武器の都留拓也(28)と中学校からの同級生・尾身智志(28)によるラパルフェ。都留は昨年末フジテレビ「ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ」で優勝。R―1グランプリでも「阿部寛」で決勝に進んだ。芸歴6年目を迎え「本家」のごとく存在感を増しつつ、満開の桜が咲き誇ろうとしている。

 「脱線も脱線。まさかこんな電車に乗っているとは思わなかった」。ネタをつくる都留は現在の立ち位置をこう分析する。コントに主軸を置き、大学時代にはラランドを撃破して学生王者にもなった。そんな2人がプロになると、予期せぬ形で注目を集めた。きっかけはTikTokで19年にアップした物まね動画がバズったのだ。映画「トイストーリー」のウッディなどクオリティの高さで時の人になった。

 その流れに乗り、コンビでテレビ露出を狙ったが、誤算だったのが「思ったより(都留の)物まねがうまかった」こと。結局、1人だけ番組に呼ばれるようになり、尾身も一緒にのし上がる作戦は失敗に終わった。

 転機が訪れたのは21年M―1グランプリの準々決勝。そこで威力を発揮したのが「阿部寛」だ。敗退したものの吉本興業とM―1をいじり倒したネタはネットを中心に大きな反響を呼んだ。「ラパルフェ」がツイッターでトレンド入りし、千鳥のノブ(43)も大絶賛。尾身は「芸人を辞めよう」と考えていたが、お笑いを続ける原動力になった。

 「阿部寛」でコンビの仕事も急増したが、プチブレークをした2人を待っていたのは物まねを期待する周囲の反応。都留は当時を「ネタを見てほしいのに嫌だった」と振り返る。その後、周りがネタに飽きる早さも実感した。お笑いの消費時間は恐ろしく速い。

 そこで悩める都留の救世主となったのが平成ノブシコブシの徳井健太(42)だった。

 「それは一生やっていくしかない。代名詞になる」。

 この言葉で吹っ切れた。

 「喜んでもらえるのを提供するのが芸人としての本分」と悟り、積極的に物まねを取り入れ、番組に合わせたネタをやるようになった。

 現在は代名詞の“反則”スタイルの漫才から脱却を図っている。「21年のネタからいかに崩すか」(都留)。コントも含め自分たちの型を探す試行錯誤は続く。

 新作のヒントも頭の中にはある。身長1メートル89の長身など阿部自身の特徴へのフォーカスや、サバンナで阿部とヒョウが対峙する設定などなど。まだ試作の段階だが、具体的な絵は描けている。

 “ニュー阿部寛”で夢をつかむか。目標に掲げているのがタレントのお兄ちゃん芸人。「バナナマンさんを目指す」と都留は「乃木坂46」の冠番組で司会を務める先輩の立ち位置を狙っている。物まねのカリスマ都留と「キャラがないことがキャラ」の尾身が描く天下獲り。サクラサク日も間近に迫っている。

 《改名しろと言われたい?》学生時代は「リレンザ」という名前で活動していた2人。改名のきっかけは養成所の所属審査。インフルエンザ治療薬であるコンビ名は改名を求められた。期限を翌日に設定されたこともあり、2人は一晩で案を出し合った。元の「リレンザ」に語感が近く、ラ行の言葉で、挙がったのが現在の「ラパルフェ」だった。早いうちに改名を考えていたものの、ブレークにより白紙に。「大御所の人に番組で改名しろと言われて改名するのが理想」(尾身)。「ラパルフェ」の名前の行く末にも注目だ。

 《公式YouTube絶賛更新中》「ラパルフェ」は公式YouTube「ラパルフェの俺がついているぜ」を絶賛更新中だ。登録者数は4月30日現在で16・3万人。4月には“本家”阿部寛がCMに起用されているコカ・コーラの「檸檬堂」からPR案件が舞い込むなど上り調子。勢いづくコンビとともに公式YouTubeからも目が離せない。

 《バイト辞められるか》以前は週5回、コールセンターでアルバイトをしていた尾身。バイトを始めた当時は同僚の女子大学生に「物まねやったらいいのに」と言われるなど肩身の狭い思いをしていた。しかし、今では勤務が週2、3回にまで減り、「今は仕事が入って…というのができるようになった」と胸を張る。昨年、忙しすぎてバイトを辞めることに成功した都留に続けるか。尾身の真価が問われている。

 ◆ラパルフェ(2018結成)
 ◇都留拓也(つる・たくや)1994年(平6)6月3日生まれ、東京都出身の28歳。千葉大卒。相方の尾身とは区立九段中等教育学校4年時からコンビを組む。趣味はサウナ、銭湯、ダイビング。特技は帽子が似合うこと。

 ◇尾身智志(おみ・さとし) 1994年(平6)7月10日生まれ、東京都出身の28歳。早大卒。母は総務副大臣を務める尾身朝子氏。趣味は映画観賞、スポーツ観戦。特技は目隠しチャンバラ。

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