【王将戦】藤井聡太王将「一手一手非常に難しいが充実感もある」 王手か羽生九段の逆襲か 9日から第4局

[ 2023年2月8日 19:13 ]

<第72期王将戦 第4局前日>R-HM型軽飛行機の前でポーズをとる藤井王将(右)と羽生九段(撮影・田中 和也、西尾 大助、小海途 良幹、河野 光希、藤山 由理)
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 将棋の藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=に羽生善治九段(52)が挑戦する第72期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負第4局(東京都立川市「SORANO HOTEL」)の前夜祭が8日、市内で行われた。

 会場に姿を現すと、盛大な拍手で迎えられた両者。藤井は前年度、同所で王将位を獲得。「またこの場所に帰って来れたことがうれしい」と話した。「ここまでの3局を振り返ると、一手一手非常に難しいが充実感もある。明日から始まりますが、よりよい対局になるよう全力で臨みたい」と力を込めた。

 対する羽生は、実家が立川からほど近い八王子。「すぐに思い浮かぶのは昭和記念公園。久しぶりに来たらだいぶ雰囲気がかわっていて、こういったところで対局ができるのは光栄。対局室からの眺望は素晴らしく、集中できそう」と笑顔。「スピード感のある将棋が増えてきた中で、持ち時間8時間2日制でじっくり行うのは珍しい。それと同時に、将棋は長い時間かけても分からない奥深いものだと感じます。明日からの対局も、自分の力を出して皆さんに楽しんでもらえる将棋を指したい」と意気込んだ。

 史上最年少5冠の若武者と永世7冠の資格を持つレジェンドによる世紀の対決。第3局は藤井が勝利し、序盤から少しずつ有利を広げ、逆転を許さず相手を投了に導く“藤井曲線”を見事に描いた一局だった。後手番の羽生が選んだ雁木に対し、対抗策として有力な早繰り銀で迎え撃つ藤井。29手目▲2六飛など序盤から羽生のペースを崩し、攻め込む展開に。羽生は「中段玉寄せにくし」の格言通り58手目に△4四王と浮き上がるも、直後▲3七歩。羽生王を上下で挟み込む形で攻める態勢を整え、形勢は藤井寄りに。その後羽生の追撃を冷静に対処し、落ち着いた指し回しで勝利した。
 ついに迎えた第4局。藤井が防衛に王手をかけるのか、またしても羽生の逆襲か。注目の対局が明日に迫っている。

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