藤井王将「意味づけは後から」羽生九段「始まる…少しずつ実感」 至宝の激突幕開け 勝利の女神は…

[ 2023年1月8日 05:13 ]

会見でフォトセッションを行う藤井王将(左)と羽生九段(撮影・河野 光希)
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 将棋の第72期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負は8日、静岡県掛川市の掛川城二の丸茶室で行われる第1局で開幕する。史上最年少5冠の藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含む=に永世7冠資格を持つ羽生善治九段(52)が挑む、ファン垂ぜんの好カード。7日には両者が現地入りし、検分などを無事済ませた。夢の対決は午前9時にスタートする。

【藤井王将に聞く】
 ――準備は?
 「羽生九段は戦型も多彩。具体的に対策を深めるよりは公式戦を指しながら状態を高めるようにやってきました」

 ――羽生九段について。
 「将棋界のスーパースター。新しい感覚、羽生九段の将棋観をミックスして指されているのかなと」

 ――歴史的対戦。自身で理解する意義は?
 「意味づけは後からなされるもの。まずは明日、あさっての対局をよいものにできるよう全力を、という思いです」

 ――対局中に成人の日?
 「20代ということでこれからの時間は大事。有効に生かせるようにやっていきたい」

 ――1年ぶりの掛川対局。思い出は?
 「(勝者の記念撮影で)車掌の格好をしたのは覚えています」

 ――対局場については?
 「昨年の控室は入り口に近い方でした。今年は奥の部屋。昨年も(渡辺)王将が使ったと思うが、今回初めて入って“奥はこうだったんだ”って、ちょっと思いました」

 ――どんな天候だと気分が盛り上がるか?
 「雪を見るとテンションが上がります」

 ――昨年は挑戦者で今回はタイトルホルダー。心境の違いは?
 「タイトル戦に臨む上で挑戦者かタイトルホルダーかはあまり意識することではないと思っています」

【羽生九段に聞く】
 ――現地入りして思うことは?
 「場所によっては結構冷え込んだり、雪が降ったりとかしていたので、天候が悪いことを心配していたんですけども。非常に冬らしく晴れていて良かったなと思います」

 ――こども王将戦も視察。子供たちの指す姿を見て。
 「皆さん伸び伸びと将棋を楽しんで指しているようで、非常にほほ笑ましく思いました。まだルール覚えたばかりなのかなっていう子もいましたし、有段者でかなり強いんじゃないかなっていう子もいて、非常ににぎやかな会かなと思いました」

 ――タイトル戦が始まる。心境は?
 「移動して、さまざまな検分とかしていよいよ始まるんだなということを少しずつ実感しています」

 ――7年ぶりの対局室。今日行って思い出したところは?
 「掛け軸とかは、前と同じだったのではないかという気がする。なんとなく鮮やかな色が印象に残っていました」

 ――32歳差での顔合わせ。この対局の持つ意味は?
 「年の差があっても同じ土俵で戦えるのは、将棋の世界ならでは。でも、これくらい離れてしまうと、特にタイトル戦では実現するのは難しいのかな。今回、そういったものを超えて実現できたことはうれしい」

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