佐藤康九段 連続12期守るA級から陥落危機 稲葉八段に敗れ0勝5敗 稲葉は藤井王将らを追う2敗堅持

[ 2022年11月17日 01:47 ]

佐藤康光九段
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 第81期名人戦A級順位戦は16日、佐藤康光九段(53)が東京・将棋会館で稲葉陽八段(34)との5回戦に臨み、17日午前0時45分、144手で投了した。A級は年度を通じて10人が総当たりで9局ずつ指し、渡辺明名人(38)への挑戦権を争う。A級最年長の佐藤は0勝5敗となり、10人中最下位。B級1組へは2人が降級し、残留圏にある1勝3敗の8位・糸谷哲郎八段(34)が遠ざかった。今期を折り返し、連続12期連続守るA級からの陥落危機を迎えた。

 佐藤康は羽生善治九段(52)が今期からB級1組へ陥落後もA級を維持する羽生世代の雄。A級は通算26期目で、その頂点に立つ名人位には98、99年度の2期就いた。日本将棋連盟を束ねる会長兼任のプレーイングマネジャーだが、A級に初参戦した藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖を含む5冠=ら若手の台頭もあり今期は負けが込んでいた。

 先手佐藤康で戦型は角交換型向かい飛車へ進んだ。佐藤康が穴熊に構えると、稲葉は中央の4~6筋に金銀4枚、馬も引きつける対照的な布陣に。自陣角と竜で攻め立てた中盤は有利な局面が続いたが、稲葉の頑強な受けに攻めの糸口を見失い、逆に稲葉の王頭攻めと竜による縦横からの攻めに局面を損ねていった。
 稲葉は3勝2敗となり、藤井と豊島将之九段(32)が並ぶ1敗勢を追う2敗5人に生き残った。

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2022年11月16日のニュース