糸谷八段 王将リーグ連敗12で止めた!服部五段との熱戦制し1勝3敗「とりあえずホッとしてます」

[ 2022年11月7日 20:29 ]

<王将戦挑戦者決定リーグ>服部五段(右)と感想戦をする糸谷八段 (撮影・奥 調)
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 第72期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)挑戦者決定リーグは7日、大阪・関西将棋会館で糸谷哲郎八段(34)と服部慎一郎五段(23)が対局し、糸谷が二転三転の熱戦の末、158手で勝利した。今期成績は両者1勝3敗。糸谷は第69期から続くリーグでの連敗を12で止めた。

 「とりあえずホッとしてます」。藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含めて5冠=への挑戦権を争い、7人が総当たりするリーグ。糸谷は第69期で久保利明九段(47)に敗れて以降3連敗で陥落。復帰した前期は6戦全敗で陥落。さらに復帰した今期も開幕3連敗とトンネルが続いた。

 自ら誘導した一手損角換わりへ進んだこの日も、我慢の時間帯が続いた。中住まいの自王が服部銀に迫られた64手目、駒台から自陣へ放った△6二角がいかにも重い。

 5八飛の利きが素通しで王手になり、金獲りでもある93手目▲4四銀は服部好調を象徴した。ところが局面が進み、糸谷陣の左辺へと角を展開し、96手目△2四角と王手をかけてからは攻めの主軸へ変身する。

 「一応、顔は立った」。104手目△6九銀と飛車金両獲りで割り打ちすると、服部から金のタダ捨ての▲4三金。「飛車も逃げにくいし、指す手もよく分からなかった」。服部の困惑が示すように以降、攻守逆転した。

 12連敗は、少数精鋭の難関リーグから陥落しても2度復帰したからこその底力の証明とも言える。「記録を作っちゃいましたね。厳しい状況ですが、この勢いで指したい」と糸谷は前を向いた。7人総当たりで争うリーグは羽生善治九段(52)が5勝、豊島将之九段(32)が2勝1敗で挑戦は両者に絞られる。勝ち星が羽生に集中する現状だけに残留ラインは下がる可能性が高く、挑戦者争い同様、残留争いからも目が離せない。

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2022年11月7日のニュース