鹿野晃院長 全数把握見直しに数々の疑問「やるなら全国一律」「患者の犠牲減らす感染症対策を」

[ 2022年8月25日 17:51 ]

東京・赤坂のTBS社屋
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 ふじみの救急病院(埼玉県三芳町)の鹿野晃院長が25日、TBS系「Nスタ」(月~金曜後3・49)にリモートで生出演し、政府が新型コロナウイルス感染者数の全数把握の方針を見直すと発表したことに私見を語った。

 岸田文雄首相は24日、業務がひっ迫する医療機関や保健所の負担軽減のため、感染者の全数把握の方法を見直す方針を表明。詳しい報告の対象を高リスクの患者に絞るかどうかは、各地方自治体の判断に任せるとした。鹿野氏はこれに「やるとしたら(全国)一律」と、政府の方針に疑問符を付けた。

 新型コロナの特性として、「最初のころから一定の確率で中等症以上、重症の方、亡くなる方が出る。そういった病気」と説明しつつ、「感染が広がっていくとずっと医療のひっ迫、社会の混乱というのは続くわけです」と指摘。「これがもう何かが重なるごとにひどくなっていく。医療現場も含めて社会も耐えきれなくなっている。この路線でいくのか」と苦言を呈した。

 鹿野氏は「早期発見、早期隔離、早期治療ということで、感染者数そのものをしっかりグッと抑えていく」と、感染症の根本の原則に立ち返った政策が必要だと主張。「全数把握して丁寧に患者さん目線で、決して事務作業が楽になるとか、そこを重視するのではなく、患者さんの犠牲を減らしていく感染症対策、コロナ対策というところに舵を切るタイミングに来ているんじゃないかと思います」とも訴えた。

 また岸田首相が検査キットを一般医薬品化すると表明したことについては、「欧米並みに自己責任でキットを買って、検査をして、それに対する薬も自分で買ってと、かなり恩恵を失ってしまう。国民にとってはひどい政策」と厳しく指摘した。

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