【女優主演賞】「喜劇 愛妻物語」水川あさみ、“運命的”オファーに「覚悟を決めた」

[ 2021年1月22日 05:30 ]

2020年(第75回)毎日映画コンクール各賞決定 ( 2021年1月21日 )

女優主演賞を授賞し笑顔の水川あさみ(撮影・久冨木 修)
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 新境地の演技で初の主演賞を射止めた水川。「やるにあたり覚悟を決めた役柄。思いっきり演じたことを評価してもらえてうれしい」と満面の笑みを浮かべた。

 売れない脚本家が、妻の愛情を取り戻すべく奮闘する姿を描いた痛快コメディー。水川は、うだつの上がらない夫・豪太を叱咤(しった)する妻・チカを演じた。

 これまでのイメージとは一線を画すキャラクターだったが、「この役は絶対に私がやりたい」と運命的なものを感じてオファーを快諾。夫に罵声を浴びせ続ける役柄について「ずっと怒ってますよね」と苦笑しながら「でも本当は愛情深くて懐の大きい女の人というか奥さん。根の部分にある愛情を大事にしました」と夫の才能を諦めきれずに愛情を持ち続ける妻を丁寧に演じた。

 チカを演じるにあたり力になったのが夫を演じた濱田岳(32)の存在。「配役を聞いた時には攻撃しがいがあると思いました」とジョークを飛ばしつつ、「あんなダメっぷりを演じられるのは凄い」と称賛。「現場でどんな演技を投げかけても受け入れてくれた。(演じる上で)大きかったですね」と感謝した。

 ドラマへの出演を重ねる一方で、映画に深く関わりたいという思いが強くあって模索していた。その中で舞い込んできたのが「愛妻…」だった。

 その後「滑走路」など映画への参加が続々と決まり、20年は5本の出演作が公開された。「『愛妻…』が没頭できる役を導いてくれた気がしています」とほほ笑む。妻の役が多かったが、個性はばらばら。「同じような役でも試行錯誤して肉付けが許される環境」と映画の魅力を語った。

 水川は「20年に映画の面白さを凄く知ってしまったので、長い目で見てもっともっと深く関わっていける役者でありたい」と今後を見据え、「『愛妻…』を『釣りバカ』みたいにシリーズ化して、年齢を重ねていく2人を演じていきたい」と新たな野望を口にした。(糸賀 日向子)

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