西武・おかわり 大打者の証!歴代最多の清原に並ぶ通算1955三振 偉大な先輩より425試合も早く到達

[ 2022年7月6日 05:30 ]

パ・リーグ   西武5―4オリックス ( 2022年7月5日    京セラD )

<オ・西>8回、三振を喫する中村(撮影・井垣 忠夫)
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 追い求めているのは「本塁打の打ち損ねを本塁打にする打撃」。西武・中村は、そう語っている。ヒットの延長が本塁打ではない。本塁打の打ち損じがヒットでもない。打撃練習から引っ張り一辺倒。本塁打を打つ練習だけをしている。

 球団OBでもある清原和博に並ぶ1955三振。プロ野球歴代最多に並んだ三振数は一発を求めるスイングの代償だ。屈辱の数ではあるが強打者の証。「三振はしたくない。でも、仕方ないかなとも思っている」と言う。

 5回に左翼線二塁打を放ち、7回も左翼線に適時二塁打。迎えた8回、本田の154キロの内角直球でバットが空を切った。偉大な先輩の2338試合より425試合も早い1913試合目で到達。驚異のペースである。

 1、2軍を行き来していた若手時代は相手の投球に合わせる打撃に傾いたこともある。だが、それでは自身の存在価値がない。打率は度外視。球を捉えるポイントを投手寄りに置き、本塁打を打つためのフォームを模索。球団からも、それが許された希有(けう)な存在で三振と表裏一体の打撃を貫いてきた。

 年齢を重ね、中軸以外を打つことも多い。この日も7番。ここ数年も一発狙いの打撃を継続するか迷うこともあった。今春キャンプ。宮崎県内の宿舎に飾られた「親子おえかきコンテスト」の似顔絵の前で足が止まった。ファンは自身の顔の周りに山盛りのごはんやどんぶりを描いていた。1試合複数本塁打を意味する自身の代名詞は「おかわり」。高卒4年目だった05年の交流戦でブレークし、お立ち台で言った好きな言葉がファンに定着した。「改めて自分にはこういうイメージがあるんだ…」。持ち味は一発狙い。一枚の絵が迷いを消してくれた。

 現役最多446本塁打を誇る大砲に新たな「称号」が加わった。38歳となっても、使命は変わらない。豪快なアーチを狙う。ファンを笑顔にするために。(神田 佑)

 《メジャー記録はの2597三振》中村(西)がオリックス戦の8回に本田から通算1955個目の三振を喫し、清原和博(オ)が持つプロ野球最多三振記録に並んだ。通算三振率(三振÷打席数)は・261。1000三振以上の74選手の中ではブライアント(近鉄=・356)に次ぐ高さで日本人最高と三振が多い打者だ。もっとも、中村も含めた通算400本塁打以上の20選手のうち、16人は1000三振を超えており、三振の多さは長距離砲ならではとも言えそう。なお、初三振は、03年9月28日日本ハム戦でミラバルからで、最多三振は則本(楽)の36。また、現役で中村に次ぐのは松田(ソ)の1509三振。メジャー記録はレジー・ジャクソン(アスレチックス)の2597三振だ。

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