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落合博満氏 89年“昼神事件”裏で球団から「罰金2000万円、2カ月出場停止」で即退団会見要求

[ 2022年7月6日 17:00 ]

落合博満氏
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(68)が6日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。中日に移籍して3年目、1989年1月17日に起きた「事件」について赤裸々に語った。

 中日移籍3年目の1989年。この年は年始から落合氏が“体重制限オーバー報道”に端を発しスポーツ紙を中心としたメディアを騒がせた。

 「あぁぁ…その年。だってこりゃあ、プロである以上はそりゃ自分で管理しなきゃいけないっていうのは、しごく当然のことであってね。何もそれを球団の方針として言われる筋合いはないだろうっていう。罰金(ベスト体重から1キロオーバーごとに10万円)は実際問題、それを取ったか取らないかは分かんないけどね」と当時を振り返った落合氏。当時を思い出し、あの有名すぎる“騒動”について語り始めた。

 「昼神温泉行っての、その“事件”だよ」

 事件とは――。1989年1月17日に落合氏が愛した長野県の昼神温泉での単独自主トレ初日終了後に報道陣に語った「体重計に俺は乗らない」「4月の開幕までに何とかすればいい」といったオレ流調整宣言に加えて、「昔の選手は早い時期から誰も動かなかった。そんな人間が(1月)10日ぐらいから“動け”って…昔、やってなかった人ほど指導者になったら、そういうことを言う」といった発言。落合氏自身は「星野監督」とは一度も言っていないが“監督批判”と報道され、野球ファンのみならず、世間にも衝撃を与えた。当時、2人の確執や不仲説がささやかれていたこともあり、大きな“舌禍事件”として連日、大きく報道されることになる。

 落合氏は「それが新聞6社あってね、普通、敵に回る新聞社が味方について、3対3に分かれたんだよ。だからその紙面によって書き方、全部真逆な書き方をしていたっていう。その印象が強い」と“声”が二分されていたと回顧する。そしてこの“舌禍事件”について星野監督は最終的には“スタッフと話し合えばいい”としたが、球団の方は“罰金だ”と収まらなかった。

 「あぁ。『2000万円の罰金で2カ月の出場停止』って言ってきたよ」

 落合氏から明かされた、球団が出した驚きの条件。当時のやり取りについて信子夫人は「で、夜電話が来たのよ。昼神温泉で自主トレやっている時に。で、落合が出て。そしたら『え?え?』って真剣になって、『どうしたの、何かあったの?』っていうことからだね」と詳細を明かし始めた。

 落合氏「うん。で、『そんな2カ月出場停止だったら、今から退団会見やるから席だけ用意してくれ』って言ったら、“いやそれはちょっと待ってくれ…”」

 信子夫人「いや、それで私が…座布団ね、敷いて座っているところを座布団パーンと引っ張られたと同じ感じだから。こっちは体重はもちろん、ウエートトレーニングもして、トレーナーも付けてて、それで試合に臨むわけですから。それなのに、“監督批判”とか言って“(監督批判の見出しで)明日の1面に出すぞ”と」

 落合氏「うん」

 信子夫人「で、そういうお電話をいただいて、もう困っているわけ。電話で硬くなって。で『何かあったの?』って言ったら、球団からそういうお話(多額の罰金と出場停止)が出てると。それで私がお電話代わって『どういうことですか?』って聞いて」

 電話の様子がおかしいと感じた信子夫人が間に入り、話は続いた。

 信子夫人「(私が)『今、一番落合が信頼できる人と話をしたい』と。当事者同士じゃダメなんで。それで(落合氏が)『稲尾さんじゃないか?』って。球団がまた電話くれたの。『稲尾さんはどうですか?落合の言うことを理解できる方はいませんか?』(と相手側に信子夫人が問いかけて)で、稲尾さんに決まったの」

 あの“舌禍事件”で仲介役になったのは通算276勝を挙げた「神様、仏様、稲尾様」。落合氏が人間性に心酔し、恩人と慕う稲尾和久氏だった。

 信子夫人は振り返る。

 「稲尾さんからすぐ電話が来て、“信ちゃん代われ。なに落合怒ってるんだ?引退するってことを球団から聞いたぞ”って。だって本人がやってもない、言ってもないことを“監督批判”そういうふうに明日ね(新聞に)載るってなって。『だったら(罰金を払ったら)オレが認めたことになる』と。『もしそれをOKしたら、罰金もOKしたら。だから合点がいかない』って短気起こしていますって言ったら、稲尾さんが“よしっ!俺が明日、仙(星野監督)と話をするから”って。ほら、(星野さんと稲尾さんは)ピッチャー同士でしょ?それで家では本人がもう『辞める。明日引退会見する』って言っているので、『稲尾さん、どうしましょうか?』って言ったら、“明日、俺が折り返し電話やるから。まずは博満を落ち着かせとけ”と。そういうことだよね?」

 落合氏「うん」

 信子夫人「罰金の金額もね、いま皆さん10万だ20万だなんだって言ってるけど違ったの。本当のことを言わなきゃいけないの。自分のチャンネルではね。だからまあ、お互いに言ってることがそこでね食い違ってましたってことがね、今言えれば」

 落合氏「向こうも焦ったと思うよ」

 1989年の「星野監督批判報道」。その裏にあった「罰金2000万円、2カ月出場停止」と信子夫人と稲尾氏の仲介による落合博満の退団、引退回避。33年の時を経て、本人の口から真実が語られた。最終的には「お互いに謝ったよ」と落合氏は笑った。

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