イチローさん「きっかけつかめば冬とは違う選手になる」 千葉明徳ナインにバットを贈り熱い思い伝える

[ 2021年12月3日 18:52 ]

千葉明徳高を訪れ、選手を指導するイチローさん
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 マリナーズで会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチローさん(48)が3日、千葉明徳で選手指導を行った。2日から訪問しており、指導2日目となった。年内にもう1校、訪問する予定だという。

 指導に至ったきっかけは、同校の福中儀明理事長から届いたメッセージだった。全国で1番最初に届いたメッセージには、チームとして夏の大会のベスト8の壁を越えたい、選手としてもうまくなりたい、さらには選手たちの人間としての成長のため、一緒にプレーをしてほしい、との内容が書かれていたという。先月29、30両日には秋季高校野球東京都大会を制した国学院久我山で選手指導を行っており、今オフ2校目の訪問となったが、イチロー氏は1番最初に訪問を決めていた学校だったという。

 同校は夏の千葉大会は3年連続でベスト8で敗退。今夏は準々決勝で甲子園に出場した専大松戸に敗れた。新チームは秋の県大会1回戦で東海大市原望洋に2─14で敗退した。

 部員は1年生19人、2年生25人、夏の大会後に引退した3年生19人の計63人が参加した。選手は白の練習着で背中に名前が入っており、イチローさんも「〇〇選手」と名前を呼びながら、ときおり笑顔も浮かべながら、選手との距離を縮めていった。

 走塁指導、守備指導に加え、フリー打撃の実演を含め約4時間の指導を行ったイチローさん。外野でクールダウン中の生徒のところにイチローさんが行き、あいさつ。円陣の中で「みんな、元気で声を出すし、野球大好きで、礼儀正しい。『お話、うかがっていいですか?』と『てめえ、飛ばねな~』は、どっちが本来の姿?」と聞くと、選手から「『飛ばね~な~』の方です」の声が挙がると、笑いながら「飛ばね~な~が本来の姿ね。どっちもあってもいいし、それができること(使い分ける?)は大変よね。僕はうそでもできないですから。この冬を越して、春、どうなっているか注目しています。高校生はひと冬で変わるから。きっかけをつかめば、冬とは違う選手になるから。今回、そのきっかけをつかんでくれたらうれしいと思っていた」と話した。

 さらに、イチローさんは練習で使っていたバットをプレゼント。「これを握って、振って思い出すでしょう。これを置いて帰るので。プロの選手の中でも最高のバットです。しんどくなっても、これを見て、思い出してくれれば。こんなにうまくなった、いい選手になったと報告を楽しみにしています。これから頑張って」と伝えた。選手から花束も渡され、全員で記念撮影。イチローさんと千葉明徳ナインの濃密な時間は一気に流れた。

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