阪神・近本 新庄&赤星の道歩め!初のGG賞「来年からも続けて選んでいただけるよう、頑張っていきたい」

[ 2021年12月3日 05:30 ]

念願のゴールデングラブ賞を初受賞した近本
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 プロ野球の守備のベストナインを選ぶ「三井ゴールデン・グラブ賞」が2日に発表され、阪神・近本光司外野手(27)がセ・リーグ外野手部門で初受賞した。178安打の最多安打で初タイトルを獲得した打撃に加えて守備も認められ、改めて飛躍の3年目を印象づけた。同賞の球団最多受賞は新庄剛志(現日本ハム監督)の7度。大先輩のように来季以降も名手の称号継続が期待される。

 近本はずっと目指してきた勲章を3年目で初めてつかみ、率直に喜びを言葉にした。

 「プロ入りから筒井コーチと一緒に目指してきた賞でもあるので、初めて受賞することができて素直にうれしい」

 俊足を生かした広い守備範囲で幾度となく猛虎を救った。中堅で140試合に先発出場。守備機会269でわずか1失策の堅守を誇った。守備率・996はリーグ3位。セ外野手部門では広島・鈴木誠に次ぐ210票を集め、球団の外野手では15年の福留以来の栄誉に輝いた。

 単純な数字で比較しても1年目は守備率・984、昨季は同・987で、着実な成長が分かる。9月22日の中日戦では福留の右中間への大飛球に右手を目いっぱい伸ばしてジャンプ。フェンスに激突しながら好捕した。体を張ったプレーも多く球際の強さも光った。

 昨季まで2年連続盗塁王を獲得し、俊足にフォーカスされることが多かった。同じように走力が大事になる外野守備にもこだわりが強く、1年目から筒井外野守備走塁コーチとともに強化に努め、落下地点へ向かう際の初動や送球時のラインに至るまでさまざまな指導を受けた。

 新人だった19年に初出場したオールスターでは同じ中堅を主戦場にゴールデングラブ賞6度を誇る秋山(当時西武、現レッズ)からフェンス際の捕球について助言を仰ぎ、打球に対して正面でジャンプするのではなく、斜め(半身)の状態で跳ぶ極意を授かったこともある。

 打率・313、10本塁打、50打点は3部門とも自己最高を更新。24盗塁は中野に次ぐリーグ2位で、攻守両面で猛虎の中核を担った。矢野監督が来季へ向けて打ち出した「レギュラー白紙」の方針でも、“近本以外”のただし書きが付いた。

 「走攻守でチームに貢献するのが自分のプレースタイル。これを励みに、来年からも続けて選んでいただけるよう、頑張っていきたい」。同賞の球団最多受賞は新庄剛志の7度。同じ中堅を守り、同じ背番号5を付けた大先輩の背中を追いかけるように、さらなる飛躍を期待される4年目を見据えた。(長谷川 凡記)

 ○…近本(神)がチーム外野手では15年福留以来の受賞。守備率、失策数ともに年々、改善されており、同じ中堅をメインとして9度目受賞の大島(中)と比較しても(カッコ内は大島)、守備率.9962(.9963)、守備機会269(274)、失策1(1)、補殺4(3)と同レベルに達している。阪神の外野手最多は新庄剛志の7度で、他のポジションを含めても球団最多。掛布雅之(三塁)、赤星憲広(外野)の6度が続く。

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