松坂大輔「ヒーローになりたかった」 自身を説明「みんなに喜んでもらいたいと思い続けてきた人物」

[ 2021年10月24日 02:04 ]

松坂大輔投手
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 今季限りでの現役を引退した西武の松坂大輔投手(41)が24日、TBSのスポーツ番組「S☆1」に出演、自身の理想像について「ヒーローになりたかった」と語った。

 収録は引退登板翌日の20日。「ゆっくりは寝られなかったですね。朝起きた時の筋肉痛っていうんですかね。肘まわりも張ってますし、肩まわりも張ってますし、何か首も張っているし…朝起きた時に、あ、起き上がれないなって思って。改めて…マウンドで投げるのは大変なことだったんだなって実感しましたね」と語りながらも、表情は明るかった。

 19日には日本ハム戦で16から変更した背番号18のユニホームに袖を通して先発。近藤健介外野手(28)に5球を投じて四球を与え、日米通算170勝の現役生活に別れを告げた。「ストライク入れられる自信がなかったです。まったくなかったです。当然、マウンドに立つと抑えることを考えますし、直前に(捕手の森)友哉から『どうしますか?』って言われたんですけど、『もういいよ。真っすぐで行こう』って」とその時を振り返った松坂。

 「結局ストレートなんですかね。僕自身はスライダーピッチャだと思っているんですよね。でも、こういうスライダーで三振取ったな、ってあまりないんだよな…」と99年のデビュー戦となった日本ハム戦で、片岡を155キロの速球で三振に仕留めた場面、その年の5月にオリックス・イチローと初対決し、最初の打席で147キロの速球で三振を取った場面を振り返り「ストレートで三振を取るのが気持ちよかったんでしょうね。見ている人たちも分かりやすい力勝負だなって。その勝負を見て、喜んでくれる人がいるんだったら、それでいいじゃん。って思っているところもありましたね」と語った。

 最後のマウンドの最速は118キロ。2球目にストライクが入ったが、あとはコントロールは定まらない。「最後のご褒美でストライクを取らせてくれたのかなって思いましたね。変化球の方がストライクが入るって友哉も分かっていたと思います。でも、全球ストレートで行った方が、いろんな意味で伝わるかなと」と、ストレートに生きざまを込めた。試合後、場内を一周した松坂が誰もいないマウンドに歩を進めた。片膝をつき、右手でプレートに触れたのは「別れのあいさつとお礼を伝えました。全ての球場を思い出して…」と説明した。

 また、松坂にとっての松坂大輔って?と問われると「何ですかね。これはもう野球選手というのに限らず、いろいろな競技の人が目指すものだと思うんですけど、やっぱりヒーローになりたかったって言うんですかね」と話した。さらに「今でもそうなんですけど、僕の中の永遠のヒーローはドラゴンボールの孫悟空なんで。ヒーローになりたかった。孫悟空になりたかった。世界を救うヒーローになりたかった。野球の世界の中でみんなに喜んでもらいたいと思い続けてきた人物。そんなとこですかね」と語り、顔をほころばせていた。

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