阪神 9回一丸の勝利!島田安打から二盗→サンズ進塁打→木浪V犠飛「打席に送ってくれたことに感謝」

[ 2021年9月22日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3ー2中日 ( 2021年9月21日    バンテリンD )

<中・神>9回1死三塁、勝ち越しの左犠飛を放ち、笑顔でグータッチをする木浪(左)(撮影・平嶋 理子)
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 阪神は21日の中日戦に競り勝ち、首位の座を守った。9回1死三塁から17試合ぶりの先発だった木浪聖也内野手(27)が決勝の左犠飛。一時同点につながる二塁守備での判断ミスを取り返した。6回の守備から出場して唯一の打席で安打と二盗で決勝生還した島田海吏外野手(25)の働きも光り、文字通り一丸で貴重な白星をもぎ取った。

 みんながつないだ好機に応えたい一心だった。打席に立たせてくれたベンチにも報いたかった。木浪は「絶対ここで打つ」と強い覚悟で臨み、速球に打ち勝った。2―2の9回1死三塁。1ボールから152キロを決勝の左犠飛。8月28日の広島戦以来の先発出場で値千金の一打を放った。

 「打席に送ってくれたことに感謝ですし、結果を残して恩返しできたのかなと…。でも、守備でのミスがあったので、もっと力をつけていけるようにやっていきたい」

 6回1死一、二塁から福留の二ゴロ処理で一塁走者を少し追った後、一塁へ送球。マルテからの二塁転送は間に合わず、二、三塁に走者2人を残したことが同点につながった。打撃でも3打席凡退。9回のベンチには糸井や原口が残っていて、代打を送られてもおかしくない状況だった。

 矢野監督は4打席目を与えた。「レギュラーを中野に奪われた形だったけど、キャンプからやれることをしっかりやってきたというのは頭の片隅にはある。任せようという気持ちになった」。信じて送り出した親心が結実した。

 本塁を踏んだのは島田だ。6回から右翼に就き、9回先頭が唯一の打席。カウント3―1から果敢に打って二塁左への内野安打で突破口を開き、続くサンズの2球目には二盗も決めた。今季6盗塁で失敗はない。土壇場で自慢の足を駆使した。

 「もう何でもいいから出て、何とかつないでいければ…と。それだけ考えていた。最高の形になって良かった」

 サンズも追い込まれてから粘り、フルカウントから内角高めを軽打して一ゴロを打った。助っ人砲らしからぬ進塁打。今季ワーストに並ぶ17打席連続無安打に伸びても、自己犠牲にあふれた姿だった。

 2点以上を奪ったのは4試合ぶり。攻撃陣が低調な中、R・マルティネスから今季6度目の対戦で初得点を奪い、救援転向した19年以降では初黒星を付けた。ヤクルトが勝ち、敗れていれば首位陥落の一戦。矢野監督は「ほんとに一人一人が気持ちをつなげながら取った1点だと思う」とうなずいた。(長谷川 凡記)

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