新井貴浩氏 阪神の未来感じた9回の大山、高山、近本の攻撃 チームの軸になって若虎が続け!

[ 2020年10月4日 06:00 ]

セ・リーグ   阪神4-7巨人 ( 2020年10月3日    甲子園 )

<神・巨(18)> 9回無死、大山は右中間二塁打を放つ (撮影・平嶋 理子)                                                         
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 【新井貴浩 視点】終始試合が巨人ペースで進み、強さを見せられて9年連続の負け越しが決まった中、最終回に奪った4点が、阪神の未来を照らしているように感じた。打ったのは大山、高山、近本。この3人にこれからのチームを引っ張っていってほしい。

 今季の巨人はベテラン、中堅、若手が融合したバランスのいいチームだ。丸、坂本、岡本という軸がしっかりしているから、若手が思い切ってやれる。阪神も先に挙げた3人が同じようにチームの軸になることで若い選手が後に続いていける。

 特に大山はチームの顔になれる存在だ。その意味でも、可能性のある本塁打王のタイトルには最後まで挑戦してほしい。中心選手というのは、相手から認められて本物だ。タイトルを獲れば大きな自信になるだけでなく、相手チームからの見方も変わる。自他ともに認められて初めてチームの顔になれる。

 それだけの打撃になってきた。ボールの見送り方は堂々としているし、9回の二塁打は高めの直球を逆方向の右中間フェンス上部まで打ち返した。素晴らしいスイングで、バットのヘッドが“仕事”をしている。ヘッドの走らせ方は人それぞれで、10人いれば10通りある。教えられてできるものではない。バットの扱い方、上半身と下半身の使い方など自分で感覚を見つけるしかない。コツをつかんだように見える。

 近本も立派だった。前日は左肘付近に死球。箇所からしても、痛くないはずがないし、当日よりも翌日の方が痛みが出ることの方が多い。ただし、長いシーズンは体に痛みのない時の方が少ない。痛い中で何ができるのか。どうすれば痛いなりにプレーできるか。レギュラーには必要な対応力で、それは休んでいては覚えられない。これからのチームを引っ張っていくのにふさわしい姿だった。

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