ダル 終戦 7回途中2失点も無援「真っすぐ系がまだ改善の余地がいっぱいある」

[ 2020年10月4日 02:30 ]

ナ・リーグワイルドカードS第2戦   カブス0―2マーリンズ ( 2020年10月2日    シカゴ )

7回途中、2失点でマウンドを下りるカブス・ダルビッシュ(AP)
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 カブスのダルビッシュ有投手(34)は2日(日本時間3日)、悪天候で順延されたマーリンズとのワイルドカードシリーズ第2戦に先発し、6回2/3を2失点で敗戦投手になった。チームは2連敗を喫し、ポストシーズン(PS)敗退が決まった。新型コロナウイルス感染拡大で60試合に短縮されたレギュラーシーズンでは8勝を挙げ、日本投手初の最多勝を獲得。同じく初となるサイ・ヤング賞の有力候補に挙がっている。

死力を尽くしても、勝てないときはある。ダルビッシュは潔く敗戦を受け入れた。

 「僕は自分のやることはやった。ゴロは打たせたし、特別悪いことが起きたわけではない。何か大きなミスがあったかというと何もなかった。仕方がない」。6回までわずか2安打。だが、無双の投球はここまでだった。7回2死からクーパーに先制ソロを浴びて均衡を破られた。さらに適時打を浴びて降板。チーム打率がリーグ13位で不安視された打線は零封されたが「点は普通に取れると思っていたけど向こうが良い投球をした」と責めることはしなかった。

 前日は悪天候で中止となり、スライド登板。直球の最速は96マイル(約154キロ)で決して本調子ではなかったが「パニックにならず、目の前の打者をアウトにしていこうと冷静になれた。メンタル的な部分で今年は今までと違うレベルにいけた」と手応えを口にした。ドジャース時代に2敗を喫した17年のワールドシリーズ以来、3年ぶりのPS登板はまたも苦い思い出となったが、34歳にして全盛期に突入している。

 サイ・ヤング賞の有力候補は現実も直視し、同賞を獲得した投手の名前を挙げた。「今年はどの投手とも張り合えるレベルにいけたと思うけど、デグロム(メッツ)やカーショー(ドジャース)、バーランダー(アストロズ)はまだ遠い」。一流から超一流へ。11種類の変化球の切れ味はメジャー屈指も「真っすぐ系がまだ改善の余地がいっぱいあるというのは分かっている」と課題も口にした。

 世界一の投手たちと自身との差は「フィジカルと技術」だという。「フィジカルは天性のもの。いかに天賦の才に対して、努力的な部分でどこまで近づけるか」。その貪欲さがある限り、ダルビッシュは進化する。 (奥田秀樹通信員)

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