楽天 辰己一心不RUN “珍しい”ランニング本塁打で2戦連発

[ 2020年10月4日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天5-3オリックス ( 2020年10月3日    京セラD )

<オ・楽>5回2死、辰己は右越え打を放つ(撮影・井垣 忠夫)
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 時間にして15秒26。「オリ姫デー」のいたずらか。移ろいやすい「女心と秋の空」のように、楽天・辰己の打球はオリックス外野陣を翻ろうした。

 「ボールがまだ返ってきてなかったので、“2周目いけるかな”と思いました」

 辰己の8号「珍」ランニング弾が飛び出したのは、2点リードの5回2死だ。金田が投じた内角132キロのカットボールをすくい上げると、打球は右翼フェンス上部に当たった直後、捕球しようとジャンプした吉田正の頭にゴンッ。昭和の珍プレーの代名詞ともいえる中日・宇野勝を思い起こさせる「ヘディング」により、ボールは中堅の定位置方向へ転々…。吉田正のカバーに入って逆を突かれた中堅・佐野が返球する頃、辰己は50メートル5秒7の快足を飛ばして本塁を駆け抜けた。前日には7号3ラン。2戦連発となった。

 前日には、ロメロが天井に当たった打球をインプレーではなく本塁打と勘違いし、三塁手前でタッチアウトとなる凡ミスを犯した。「屋根に入り込んだらあかんと思って、一生懸命走りました。しっかり走っておいて良かったです」と辰己。一夜明け、ヘディングでアシストを受ける「珍弾」で貴重な1点をもぎ取った。

 初回の攻撃では、4番の島内が走塁で右足を痛め、5番のロメロは頭部死球。試合開始から20分足らずで、主軸2人がグラウンドから姿を消す不運をはねのけ、3カードぶりに勝ち越した。2位のロッテも勝ち、CS出場圏内への4・5差は変わらないが、運も味方につけ、全力で上位2球団を追いかける。(花里 雄太)

 ○…辰己(楽)がプロ初のランニング弾。楽天打者のランニング本塁打は16年9月19日西武戦で茂木が打って以来4年ぶり6本目となった。また、今季は、7月25日楽天戦で宗(オ)、8月19日オリックス戦で外崎(西)もマーク。パでランニング本塁打がシーズン3本以上は、08年の4本以来12年ぶりだ。

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