巨人 独走支えるセ界一の堅守 失策は12球団最少 守備率史上最高

[ 2020年10月4日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人7―4阪神 ( 2020年10月3日    甲子園 )

<神・巨>5回2死一塁、一走・近本は北條の左中間への二塁打で本塁を狙うもタッチアウトに(右は大城)(撮影・坂田 高浩)
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 江戸城は鉄壁の防御力を誇り、将軍家の権威の象徴だった。現在の東京に本拠を置く巨人の強さを示すのも守備力。今季の失策数28は12球団最少である。本塁封殺劇は「大阪秋の陣」の一幕だった。

 「守りでいいところが出た」と原監督。腹心の元木ヘッドコーチも「ナイスプレー。守れないと勝てない」と称えたのが、2―0で迎えた5回2死一塁での好守備だった。

 左中間フェンスに直撃して跳ね返った打球を丸が「いい予測と準備ができた」と素早く処理して転送した。中継の遊撃手・坂本は「丸がいいプレーでつないできたので流れに乗った」と捕手にストライク送球。大城は、近本が快足を飛ばして伸ばした左手にタッチした。阪神のリクエストも覆らず、間一髪アウト。1点も与えなかった流れが、直後の3得点につながった。

 中堅と遊撃をチームの中心選手が務めることでセンターラインは安定し、丸の移籍2年目でより強固になった。移動ゲームの前日は全体練習を取りやめたが、1日に失策した岡本は三塁で黙々とノックを受けた。元木ヘッドも「エラーが少ないことが勝ちにつながっている」と実感する。

 球団の歴史は攻撃陣が目立つが、強固な守備力こそ伝統。V9監督の川上哲治氏が就任1年目に「巨人に定着させよう」と考えたのが、一つの球の動きに合わせて9人の選手が動く守備の連係プレーだった。当時はベースカバーの概念すらなく、教科書として「ドジャースの戦法」という本を配布した。

 昨年3位の守備率は、・992でセ史上最高に迫る。9回は内野フライにウレーニャと田中俊が交錯。仰向けに倒れた田中俊が、球を腹の上で押さえて地面に落とさなかった。阪神に9年連続勝ち越してマジックは19。それでも指揮官は「(4点取られた)9回は締まりの悪いゲームになった」と右太腿をパーンと叩いた。(神田 佑)

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