阪神・梅野「今年は“濃い”」原口、近本と球宴競弾「これ以上ないもの見せられた」

[ 2019年7月14日 08:00 ]

マイナビオールスターゲーム2019第2戦   全セ11―3全パ ( 2019年7月13日    甲子園 )

2回無死、梅野は左越えソロを放つ(撮影・大森 寛明)  
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 阪神・梅野隆太郎捕手(28)が「8番・捕手」で先発し、2回に左越え本塁打を放った。新人初の先頭打者弾を含むサイクル安打達成でMVPに輝いた近本光司外野手(24)、2戦連発の原口文仁捕手(27)とともにアーチ競演。阪神選手の計3発は78、03年に並ぶ過去最多で、本拠地を猛虎祭りに染めた。開幕から正捕手として奮闘する6年目を振り返り、スポニチ本紙に独占手記を寄せた。

 前半戦にホームランを7本も打つことが今までなかったので、打撃でも、いいものを出したいと思っていました。そんな中で最高の結果を出すことができました。甲子園が舞台でファンの方の期待もある中、打撃ではグッチ(原口)と近本と自分で、これ以上ないものを見せられたと思う。ボールを止めることはシーズン中だけでいい。お祭り舞台で“ウォール”発動は嫌だったんで、打撃でアピールできて良かったです。

 2度目の出場だった今回は自分にとっても特別でした。前半戦は本当にいろんなことがあったので…。いきなり足の指を骨折して2日で戦列に戻ったり。サイクルヒットも経験できました。成績も含め、自分の中でもある程度チームに貢献できたかなと思います。前回より10万票も多い投票で、タイガースだけじゃなく、他球団のファンの方からも評価されたのかな…と思うと格別ですし、すごくうれしいですね。

 初出場だった17年は動きや流れを見ることに必死でした。試合中も、楽しむより、しっかり捕らないといけない、下手なことはできない、という不安の方が強かった。誰の球を受けたとかを感じられないまま終わってしまったので、今回は思い切り楽しめました。

 そんな中、初戦のベンチ内で巨人の坂本さんとじっくり話す機会がありました。“前で打つ”意識が自分とは似ているんじゃないかなと思っていて、質問したら、「梅ちゃんの打席を見ていても惜しいのが多いから、もっと上を目指したら良いよ」と声をかけていただいて。球界を代表する打者に意識的な部分を聞けたことは大きな収穫になりました。

 オールスターは日頃の感謝も表現できる場だと思っています。甲子園球場には父親も呼びました。母が亡くなってから、ずっと支えて応援してくれています。福岡にいるので、なかなか見に来られません。シーズン中は打つ、打たなかったで気を張っているので、今回は結果うんぬんではなくリラックスして見てほしかった。たくさんのファンが集まった甲子園球場で独特の雰囲気を味わって帰ってくれたと思います。

 プロ6年目。今年は数多く先発マスクをかぶらせてもらって、今までにない経験をしています。1点差の展開や延長戦も多く、投手に出すサイン一つで勝敗が変わったこともありました。勝てば報われますし、逆転されたら悔しいしつらいです。しびれる場面は、楽しめる部分もありますけど、やっぱり、しんどいことの方が多い。一言で表現すると、今年は“濃い”…ですね。

 6月で28歳。年齢的には中堅に入り、年下の投手とバッテリーを組むことも増えました。抑えないと2軍落ちかなっていう場面で打たれた時に後悔ではなく“力が足りなかったんだ”と思えるようにベストボールを投げさせてあげたい…と思ってサインを出しています。もちろん、若手も生活がかかっています。うまくいかなくても、同じミスはしたくない。今日は状態が悪いなと感じた時こそ特に抑えたいですよね。

 毎日勝てるわけではありません。捕手として負けた時は「明日、明日」と切り替えるようにしています。自分が切り替えられないせいで、別の投手に影響が出るのは一番ダメ。以前、マートンが「4打数0安打でも、明日4安打の可能性がある」とよく言ってました。藤井コーチにも「10―0で負けていても、0―0でスタートする明日のためにやれ」と言われています。そういう意味で負けている時こそボールを止めたり、盗塁を刺したり、自分のできることはどんな展開であろうと絶対にやろうと心がけています。

 すぐに後半戦も始まります。シーズンを終えた時に悔いが残らないような1年にしたいです。優勝を目指して1つでも上の順位に上がれるようにチームに貢献していきます。(阪神タイガース捕手)

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