阪神・近本、球宴史上2人目サイクル 感謝のMVP「めちゃくちゃ楽しかった」

[ 2019年7月14日 05:30 ]

マイナビオールスターゲーム2019第2戦   全セ11―3全パ ( 2019年7月13日    甲子園 )

初回無死、近本は左中間に先頭打者本塁打を放つ(撮影・坂田 高浩)
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 快挙達成はすべての人に後押しされた。7回2死一塁。阪神・近本は高まる期待を全身で感じた。全パの外野陣が前進守備になったのはファンの「前へ」の声に押されたからだ。舞台は整った。「何としても打球を上げようと思っていた」。高橋礼の外角高め直球に対して狙い通りの角度を付けて打ち返した。

 左翼頭上を越した一打で一塁走者・坂本勇はぬかるむ足もとを蹴って本塁へ向かった。三塁ベースを空けるためだ。連動して懸命に駆け、二塁ベースを回ったところで一度はちゅうちょ。中継からの送球を三塁手・松田宣がこぼした“隙”を突いて三塁へ滑り込んだ。敵失でも送球間の進塁でもない。歓声が沸き、記録も三塁打だ。

 1992年の古田敦也以来史上2人目のサイクル安打の達成。「いいところに飛んでくれていい形で三塁打になってよかった」。全セのナインから頭をなでられ、祝福された。

 「1番・中堅」で出場した第2戦。初回は山岡の直球を左中間席へ運び、新人史上初の先頭打者弾で猛打開始の号砲を鳴らした。2回1死で高橋光から右翼線二塁打、3回2死では美馬から右前打。“王手”をかけた5回2死は平井からの左中間二塁打。一度は届かなかった三塁打を再挑戦で決めた。

 「声援は聞こえていました。ファンの人たちも楽しんでいただけたのかなと思います」

 1試合5安打は01年ペタジーニ以来と並ぶ最多記録。今回唯一の新人として躍動し、地元・淡路島から観戦に駆けつけた両親や親戚に勇姿を見せた。

 「めちゃくちゃ楽しかった。家族には支えてもらったので、いい恩返しができた。サイクルのボールは親に渡します」

 幼い頃から阪神ファンだった家族の影響で、何度も観戦に訪れた甲子園球場。同じ舞台で夢を与える立場になった。MVPで獲得した賞金300万円にも「パーっと使いたいですね」と笑顔だ。第1戦は6回に代走出場して初球に二盗。走って打った2日間で数多くの野球ファンを魅了した。「100点ですね。自分としてはいい勉強になりました」。令和元年。オールスターの歴史に堂々と名を刻んだ。(長谷川 凡記)

 ≪初の新人先頭弾、左打者弾≫新人の近本(神)が初回先頭打者本塁打。球宴の初回先頭打者弾は昨年第1戦の秋山(西)以来10人11度目で、新人では近本が初めて。阪神打者でも近本が初めてだ。初回先頭打者に限らず、新人の球宴アーチは69年第1戦田淵(神)、80年第1戦岡田(神)、86年第2戦清原(西)の次いで33年ぶり4人目。左打者では近本が初。

 ≪5安打は最多タイ≫2回右線二塁打、3回右前打、5回左中間二塁打の後、7回の左越え三塁打でサイクル安打を達成。球宴では92年第2戦の古田(ヤ)以来27年ぶり2人目。1試合5安打は01年第2戦のペタジーニ(ヤ)に並ぶ球宴最多。1試合4長打は過去9人が記録した3長打を抜く新記録となった。

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