阪神・藤川、オール直球で3人斬り 7年ぶり球宴で感謝の12球

[ 2019年7月14日 05:30 ]

マイナビオールスターゲーム2019第2戦   全セ11―3全パ ( 2019年7月13日    甲子園 )

9回に登板した藤川(撮影・北條 貴史)
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 7年ぶりに帰ってきた火の玉が雨中の試合をビシッと締めくくった。阪神・藤川は9回から登板。「下がぬかるんでいたので」と説明したようにオール直球勝負で3者凡退に封じた。登場曲LINDBERGの「every little thing every precious thing」は途中で切れるハプニングもあったが、虎の主戦場で感謝の12球を刻んだ。

 「せっかくファンの方が雨の中、足を運んでくれたので。とにかくファンのいい思い出になればいい。(観戦した子供たちも)5年後、10年後、トップアスリートになって野球界に入ってきてくれたら。とにかくファンの人にいい1日を。それしかないです」

 通算12度目の登板は阪神投手としては江夏豊の14度に次ぐ歴代2位。衰えを知らない直球に魅了されたのは観客だけではない。2日連続でキャッチボールをした中日・柳も感嘆の声を上げた。「初めてあんな球を受けました。オーバーな表現じゃないですよ。凄かった」。真後ろでキャッチボールを見た広島・床田も「えぐいっすね」と舌を巻いた。

 「本物の選手が集まっていて、うちは新人の近本がいて、そういう意味ではいい主力に育っていく中で必要なことなのかもしれない。最初はお客さんと感じただろうけど。MVPをとって、12球団トップの選手から認めてもらってという形になるんで、そこが一つの成長につながる」

 自身のことより新人の近本や原口、梅野の活躍を喜ぶあたりが藤川らしい。さながら猛虎の祭典と化した夜、彩りを添えたのは背番号22の力投だった。(吉仲 博幸)

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2019年7月14日のニュース